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硝子体手術の名医を選ぶ7つのポイント|失敗しない眼科選び

硝子体手術とは?手術が必要となる眼の病気について

硝子体手術は、眼の硝子体と呼ばれる組織を取り除き、網膜硝子体の疾患を治療するための手術です。硝子体は水晶体と網膜の間にあり、水とコラーゲン繊維でできた眼球の大半を占める透明な組織です。

この硝子体が網膜を引っ張ったり濁ったりすることで、様々な眼の病気が発生します。手術では白目の部分から細い器具を眼内に挿入し、硝子体の切除や網膜の治療を行います。

手術時間は平均1時間から2時間程度で、通常は局所麻酔で行われます。ガムをティッシュペーパーからはがすようなイメージの、非常に繊細で難しい手術だと言えるでしょう。

硝子体手術が必要となる主な眼の病気には、以下のようなものがあります。

  • 網膜剥離:網膜が眼球の内壁から剥がれる病気
  • 硝子体出血:硝子体内に血液が漏れ出す状態
  • 黄斑上膜:網膜の中心部である黄斑の表面に膜が形成される病気
  • 黄斑円孔:黄斑部に穴が開く病気
  • 網膜前膜:網膜の表面に膜が形成される病気
  • 網膜静脈閉塞症:網膜の静脈が詰まる病気
  • 増殖糖尿病網膜症:糖尿病により網膜に異常な血管が増殖する病気

これらの病気は放置すると失明のリスクが高まるため、早期の適切な治療が重要です。特に網膜剥離などは緊急性が高く、早急な手術が必要となります。

硝子体手術の名医を選ぶ7つの重要ポイント

硝子体手術は目の中でも特に繊細な手術です。手術の成功率と術後の視力回復は、執刀医の技術と経験に大きく左右されます。

名医と呼ばれる眼科医を選ぶことで、手術の成功率を高め、術後の合併症リスクを減らすことができると考えます。では、硝子体手術の名医を選ぶ際に、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。

以下に、失敗しない眼科選びのための7つの重要ポイントをご紹介します。これらのポイントは私が眼科医として多くの患者さんを診てきた経験から導き出したものです。

1. 硝子体手術の経験と症例数が豊富であること

硝子体手術は非常に繊細な技術を要する手術です。年間の手術症例数が多い医師ほど、様々なケースに対応してきた経験があり、技術も洗練されています。

眼科医院のウェブサイトには、累計や年間の症例数が記載されていることが多いので、それを参考にするとよいでしょう。

症例数が多いということは、それだけ多くの患者さんから信頼されているという証でもあります。また、様々な症例に対応してきた経験は、万が一の合併症が起きた際の対応力にも直結します。

※当院では年間1,000件以上の手術実績があります。

2. 白内障との同時手術に対応していること

硝子体手術を行うと白内障の進行が認められるため、多くの場合、硝子体手術と白内障手術を同時に行います。白内障手術を同時に行うことで、硝子体手術がより確実かつ安全に行えるというメリットもあります。

名医と呼ばれる眼科医は、こうした同時手術の経験も豊富で、手術時間の短縮や患者さんの負担軽減にも配慮しています。

ほとんどの場合、手術当日に人工レンズを挿入しますが、症例によっては後日に挿入する場合もあります。

3. 先進的な設備を導入していること

硝子体手術の成功には、医師の技術だけでなく、使用する医療機器の質も重要です。最新の硝子体手術システムや高性能な硝子体カッターなど、先進的な設備を整えている医院を選ぶことが大切です。

例えば、小さな切開で手術ができる最新の硝子体手術システムは、患者さんの負担を軽減し、回復も早くなります。また、高性能な顕微鏡や照明システムは、より精密な手術を可能にします。

当院では最新の手術設備を整え、普通の白内障はもちろん、難症例の白内障や緊急度の高い網膜剥離などの網膜硝子体手術にも対応できる体制を整えています。

4. 緊急手術にも対応できること

網膜剥離などの疾患は、発症から手術までの時間が視力回復に大きく影響します。緊急時にすぐに対応できる体制が整っているかどうかは、眼科選びの重要なポイントです。

「明日になったら大丈夫」と言われて翌日に予約を取ったものの、その間に症状が悪化してしまったというケースも少なくありません。緊急時の対応力も名医を選ぶ重要な基準です。

当院では、緊急手術に随時対応しており、網膜剥離などの緊急性の高い疾患にも迅速に対応できる体制を整えています。

5. カウンセリングと説明が丁寧であること

手術前のカウンセリングや説明が丁寧かどうかも、名医を見分けるポイントです。患者さん一人ひとりの状態や生活スタイルを考慮し、最適な治療法を提案できる医師が理想的です。

また、手術のリスクやメリット、デメリットについても、患者さんが納得するまで丁寧に説明する姿勢が大切です。説明が不十分なまま手術を受けると、術後に「こんなはずじゃなかった」という不満が生じることもあります。

当院では手術前にはリラックスできる空間を用意し、患者さんに寄り添った医療を提供することを心がけています。不安や疑問点があれば、遠慮なく質問できる雰囲気づくりも大切にしています。

6. 術後のケアが充実していること

硝子体手術後のケアも非常に重要です。術後の経過観察や合併症への対応が適切に行われるかどうかも、眼科選びのポイントになります。

術後の定期検診はもちろん、何か異変を感じた際にすぐに対応してくれる体制が整っているかどうかも確認しておきましょう。また、術後の生活上の注意点なども詳しく説明してくれる医師が理想的です。

当院では術後の経過観察を重視し、患者さんの回復状況に合わせたきめ細かいケアを提供しています。また、術後に何か不安なことがあれば、いつでも相談できる体制を整えています。

7. 患者の評判や口コミが良いこと

実際に手術を受けた患者さんの評判や口コミも、名医を見つける重要な手がかりになります。ウェブサイトの口コミや知人の体験談などを参考にするとよいでしょう。

ただし、口コミだけで判断するのではなく、上記の6つのポイントと合わせて総合的に判断することが大切です。一人の患者さんにとって良い医師でも、別の患者さんには合わないこともあります。

当院は2019年の開院以来、多くの患者さんから信頼をいただき、年間1,000件以上の手術実績を積み重ねてきました。

硝子体手術のリスクと合併症について知っておくべきこと

硝子体手術は現在、広く安全に行われている手術ですが、すべての手術と同様に、リスクや合併症の可能性があります。名医を選ぶ際には、これらのリスクについても正確に説明してくれる医師を選ぶことが大切です。

硝子体手術に伴う主なリスクや合併症には、以下のようなものがあります。

  • 感染症:手術後に眼内炎などの感染症が発生するリスク
  • 網膜剥離:手術によって新たな網膜剥離が生じるリスク
  • 角膜障害:角膜が濁ったり、内皮細胞が減少したりするリスク
  • 緑内障:眼圧が上昇し、緑内障を発症するリスク
  • 黄斑浮腫:網膜の中心部である黄斑に浮腫が生じるリスク
  • 白内障の進行:硝子体手術後に白内障が進行するリスク

これらのリスクは、医師の技術や経験、使用する機器の質、患者さんの状態などによって大きく変わってきます。名医と呼ばれる眼科医は、これらのリスクを最小限に抑えるための技術と経験を持っています。

また、手術の前には必ず医師と十分に話し合い、自分の状態やリスク、手術の見通しについて理解しておくことが大切です。質問があれば遠慮なく医師に尋ね、納得した上で手術を受けることが重要です。

硝子体手術は技術的に難しい手術ですが、適切な医師と医療機関を選ぶことで、その成功率を高めることができます。ぜひ、この記事でご紹介した7つのポイントを参考に、信頼できる名医を見つけてください。

硝子体手術後の注意点と回復までの期間

硝子体手術を受けた後は、適切なケアと注意が必要です。手術直後は眼帯をしていることが多く、視界が制限されます。また、手術の種類によっては、特定の体勢を保つよう指示されることもあります。

例えば、眼の中に気体やガスが注入された場合は、指示された体勢(多くの場合、うつ伏せや顔を下に向けた状態)を保つ必要があります。これは非常に重要で、指示を守らないと手術の効果が十分に得られないことがあります。

実際に、東京地方裁判所の判例では、硝子体手術後に医師の指示を守らなかった患者さんのケースが報告されています。医師の指示を守ることは、手術の成功のために非常に重要なのです。

当院では、手術後の経過観察を重視し、患者さん一人ひとりの回復状況に合わせたきめ細かいケアを提供しています。また、術後に何か不安なことがあれば、いつでも相談できる体制を整えています。

関連記事: 硝子体手術後の視力回復プロセス|回復期間と効果的なケア方法

まとめ:失敗しない硝子体手術のための眼科選び

硝子体手術は眼の病気を治療するための重要な手術ですが、その成功率は医師の技術と経験に大きく左右されます。この記事では、硝子体手術の名医を選ぶための7つのポイントをご紹介しました。

当院では、2019年の開院依頼、毎年1,000件以上の手術を行なっております。また最新の手術設備を整え、患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。硝子体手術をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。

詳しい情報や診療時間、手術についてのご質問は、十川眼科までお気軽にお問い合わせください。

著者情報

医療法人光健会 理事長 十川健司

  • 日本眼科学会専門医・網膜硝子体学会所属
  • 医学博士・眼科手術学会所属
  • 視覚障害者用補装具適合判定医
  • ボトックス施注資格認定医