ドライアイの治し方は?セルフケア・点眼薬・専門治療まで旭川の眼科医が解説

「目が乾いて、パソコン作業が続けられない」「市販の目薬をさしてもすぐに乾く」「朝起きたときに目がゴロゴロして痛い」。ドライアイに悩む方は年々増えており、日本人の約2,200万人が該当するとも言われています。
ドライアイは単なる「目の乾き」ではなく、涙の量や質が変化することで目の表面が傷ついたり不快感が続く疾患です。原因は加齢・スマートフォンの長時間使用・コンタクトレンズ・エアコンや暖房・全身疾患など多岐にわたり、原因に応じた治し方が必要です。
この記事では、ドライアイのタイプ別の治し方・自宅でできるセルフケア・眼科で処方される点眼薬・専門的な治療の選択肢・旭川の冬季環境への対策までを整理します。ドライアイで悩んでいる方の参考になれば幸いです。
ドライアイの治し方の基本方針
まず、ドライアイ治療全体の考え方を整理しておきましょう。
完治より「上手に付き合う」が現実的
「ドライアイを完全に治したい」と願う方は多いですが、実はドライアイは完治が難しい疾患とされています。加齢による涙腺機能の低下や、現代のライフスタイルによるまばたきの減少など、根本原因を完全に取り除くことが難しいためです。
治療の目的は「症状を軽減し、目の表面のダメージを防ぎながら快適な生活を送れる状態にする」ことにあります。定期的な治療と生活習慣の見直しによって、症状をコントロールしながら上手に付き合っていく病気と捉えていただくのが現実的です。
ドライアイのタイプによって治し方が変わる
ドライアイには大きく2つのタイプがあり、それぞれで治し方が異なります。
- 水分不足型:涙腺からの涙の分泌が減っているタイプ
- 蒸発亢進型:涙は分泌されているが早く蒸発してしまうタイプ
近年の研究では、蒸発亢進型が全体の約8割を占めるとされ、多くの方は「涙は出ているけれど質が悪い・蒸発が早い」というタイプであることが分かっています。原因に応じた治し方を選ぶことが、症状改善への近道です。
治療の3本柱:悪化要因の除去・点眼治療・専門治療
ドライアイの治し方は、大きく3つに分けられます。
- 悪化要因の除去:環境・生活習慣の見直し
- 点眼治療:涙の補充・涙の質の改善・傷の修復
- 専門治療:涙点プラグ・IPL治療・血清点眼など
軽度〜中等度の方は1と2で改善するケースが多く、それでも改善しない方には3の専門治療が選択肢となります。段階的にアプローチすることが基本です。
ドライアイのタイプ別の治し方
タイプごとの特徴と治し方を整理します。
涙の分泌が減る「水分不足型」
涙腺からの涙の分泌自体が減少しているタイプで、シェーグレン症候群などの疾患や加齢が主な原因となります。目全体が乾燥しやすく、常にゴロゴロ感や異物感を感じることが多いのが特徴です。
治し方の中心は水分補充の点眼薬(人工涙液・ヒアルロン酸点眼液など)です。それでも改善が不十分な場合は、涙点プラグで涙を目の表面にとどめる方法が有効です。全身疾患(シェーグレン症候群など)が背景にある場合は、その治療も並行して行います。
涙が蒸発しやすい「蒸発亢進型」
涙は分泌されているものの、涙の油分が不足しているために早く蒸発してしまうタイプです。ドライアイ全体の約8割を占めるとされ、多くの方はこのタイプです。
まぶたの縁にある「マイボーム腺」から分泌される油分が涙の表面を覆うことで、涙の蒸発を防いでいます。この油分の分泌が減ったり質が低下したりすると、涙は早く蒸発してしまいます。「まぶたの縁に脂がたまっている」「朝起きたときに目やにが多い」といった症状がある方は、マイボーム腺機能不全(MGD)が関わっている可能性があります。
治し方としては、ホットアイマスクでマイボーム腺を温める・ムチン分泌を促す点眼薬(ジクアス・ムコスタなど)・IPL治療などがあります。
混合型(両方の要素あり)
実際には水分不足型と蒸発亢進型の両方の要素を持つ「混合型」の方も多くいらっしゃいます。この場合は複数の治療を組み合わせて対応します。眼科での正確なタイプ判定と、それに基づく治療選択が重要になります。
自宅でできるドライアイのセルフケア
軽度のドライアイであれば、生活習慣の見直しだけで症状が大きく改善することがあります。
まばたきを意識する・PC/スマホ休憩
パソコンやスマートフォンを見ているとき、まばたきの回数は通常の1/3〜1/4に減ると言われています。まばたきは涙を目の表面に均一に広げる働きがあり、まばたきが減ると涙が蒸発しやすくなります。
対策としては、20〜30分に一度は意識的にまばたきをする、20分に一度は20秒間遠くを見て目を休める(20-20-20ルール)、意識的にゆっくりと完全に目を閉じるまばたきを行うといった習慣が有効です。長時間のデジタル機器使用が避けられない方は、意識してまばたきをする時間を作ってください。
ホットアイマスクでマイボーム腺ケア
蒸発亢進型ドライアイの多くの方に有効なのが、まぶたを温めることです。マイボーム腺の中に固まっている油分を溶かして分泌を促す効果があります。
市販のホットアイマスク(レンジで温めるタイプ・使い捨てタイプなど)を使用したり、蒸しタオルをまぶたに乗せる方法があります。40℃程度で5〜10分程度、1日1〜2回続けることで効果を感じる方が多くいらっしゃいます。旭川の冬の乾燥期には、特におすすめのケアです。
加湿器で湿度管理
室内の湿度が低いと涙の蒸発が早まります。加湿器を使って湿度を40〜60%に保つことが、ドライアイ対策に有効です。
旭川市の冬季は暖房による室内の乾燥が非常に強くなります。加湿器を1台置くだけで目の症状が大きく改善する方も少なくありません。加湿器の水はこまめに交換して清潔に保ってください。
コンタクトレンズの装用時間見直し
コンタクトレンズはドライアイの大きな悪化要因の一つです。コンタクトレンズは涙の層を分断し、蒸発を促進する構造になっているためです。
対策としては、装用時間をできるだけ短くする(1日8時間以内が目安)、休日はメガネで過ごす、水分含有率の高いレンズや素材の異なるレンズに変更してみるといった選択肢があります。ドライアイが強い方は、コンタクトレンズの使用そのものを見直すことが必要な場合もあります。
バランスのよい食事・十分な睡眠
涙の質を保つためには、バランスのよい食事も大切です。特にオメガ3脂肪酸(青魚・亜麻仁油に含まれる)は、涙の質を改善するとの報告があります。
また、睡眠不足はドライアイを悪化させる要因の一つです。夜更かしせず、十分な睡眠を取ることも症状改善に役立ちます。目の疲れを溜め込まない生活リズムが基本となります。
眼科で処方されるドライアイの点眼薬
セルフケアだけでは改善しない場合、眼科での点眼治療が中心となります。市販の目薬とは異なり、症状のタイプに応じた薬を処方します。
人工涙液(水分補充)
不足している涙の水分を補うシンプルな点眼薬です。防腐剤の入っていない使い捨てタイプもあり、1日に何度も点眼する方に適しています。市販のものも含めて、水分補充が中心のドライアイ治療の基本となります。
ヒアルロン酸点眼液(水分保持・傷修復)
ヒアルロン酸には水分を捕まえて保持する働きがあり、目の表面に潤いを保つ効果が期待できます。また、角膜や結膜の傷を修復する効果もあり、乾燥で目の表面がダメージを受けている方によく処方されます。
保険適用の処方薬として広く使われており、防腐剤入りと防腐剤フリーの両方があります。
ジクアホソル点眼液(ジクアス)
「ジクアス点眼液3%」「ジクアスLX点眼液3%」は、目の表面から水分とムチン(涙の質を保つ粘性成分)の分泌を促す点眼薬です。世界初のP2Y2受容体作動薬として2010年に登場し、ドライアイ治療の選択肢を広げました。
外から水分を補うのではなく、目自身の分泌機能を活性化する「体の中から治す」タイプの点眼薬で、蒸発亢進型・混合型のドライアイに有効です。
レバミピド点眼液(ムコスタ)
「ムコスタ点眼液UD2%」(およびその後発品)は、涙のムチン成分を分泌する杯細胞(ゴブレット細胞)を増やす作用があります。涙の質を改善し、目の表面の傷を修復する効果が期待できます。
こちらも「体の中から治す」タイプの点眼薬で、目の表面のダメージが強い方に処方されることが多いです。1回使い切りタイプで防腐剤を含みません。
ステロイド点眼薬(重症時)
炎症を伴う重症のドライアイでは、症状を緩和するためにステロイド点眼薬が処方されることがあります。ステロイドには眼圧上昇などの副作用リスクもあるため、短期間の使用にとどめ、定期的な検査で経過を確認しながら使用します。
自己判断でステロイド点眼を長期使用することは避け、必ず医師の指示に従ってください。
点眼薬でも改善しないときの専門的な治し方
点眼治療でも十分な効果が得られない中等度〜重症のドライアイには、以下のような専門的な治療選択肢があります。
涙点プラグ(涙点を塞ぐ)
涙は目の表面を潤したあと、目頭にある「涙点」から鼻腔に流れていきます。この涙点にシリコンやコラーゲンでできた小さなプラグ(栓)を挿入して、涙が排出されるのを防ぐことで、目の表面に涙をとどめる治療です。
外来で数分程度で行える処置で、保険適用です。人工涙液に頼らずに自分の涙を有効活用できるため、水分不足型のドライアイに効果的です。プラグが自然に外れてしまうこともあり、その場合は再挿入するか、より確実に涙点を塞ぐ「涙点閉鎖術」を検討します。
涙点閉鎖術(手術で涙点を閉鎖)
涙点プラグでは十分な効果が得られない、あるいはプラグが繰り返し外れてしまう場合、涙点そのものを手術で閉鎖する方法があります。より確実に涙をとどめられますが、後戻りが難しいため慎重に判断されます。
IPL治療(マイボーム腺機能不全への光治療)
IPL(Intense Pulsed Light)治療は、マイボーム腺機能不全(MGD)が原因の蒸発亢進型ドライアイに対する新しい治療法です。特殊な光をまぶたに照射することで、マイボーム腺周囲の炎症を抑え、油分の分泌を改善する効果が期待できます。
複数回の治療を組み合わせて行うことが一般的で、自由診療で行われることが多い治療です。実施している医療機関は限られており、必要に応じて紹介対応も検討します。
血清点眼(重症例)
シェーグレン症候群や重症の水分不足型ドライアイで、通常の治療で改善しない場合に用いられることがある治療です。自分の血液から作った血清を薄めて点眼することで、涙に含まれる成分を補充します。
対応できる医療機関が限られており、大学病院や専門クリニックで実施されます。
眼軟膏(角膜傷害時)
目の表面に強い傷がある場合は、眼軟膏(塗り薬タイプ)が処方されることがあります。就寝前に塗布することで夜間の目の乾燥を防ぎ、傷の治癒を助けます。ベタつきやかすみが出るため、就寝前の使用が一般的です。
ドライアイの背景に潜む病気に注意
ドライアイが「単なる目の乾き」ではなく、別の疾患のサインである場合もあります。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺などの外分泌腺が自己免疫的に攻撃される疾患です。ドライアイと口腔乾燥(ドライマウス)が主症状で、女性に多い傾向があります。
「目だけでなく口の中も乾く」「関節の痛みがある」「疲れやすい」といった全身症状がある方は、シェーグレン症候群の可能性を考えて、リウマチ膠原病内科での評価が必要になることがあります。
マイボーム腺機能不全(MGD)
前述のように、まぶたの縁のマイボーム腺の機能低下が原因のドライアイです。目の縁がまつげの根元で赤くなっている、まぶたの縁に脂状のものがたまっている、朝の目やにが多いといった特徴があります。
ホットアイマスク・IPL治療・眼瞼縁の清潔管理(リッドハイジーン)などの対応が有効です。
涙腺の炎症・薬剤性ドライアイ
一部の薬剤(抗ヒスタミン薬・抗うつ剤・降圧薬など)はドライアイを引き起こすことがあります。持病でこれらの薬を服用中で、ドライアイの症状が始まった方は、担当医に相談してください。可能な範囲で薬剤の変更を検討することもあります。
旭川の冬季環境とドライアイ対策
旭川市の冬季は、ドライアイ症状が特に悪化しやすい環境です。
暖房による乾燥への対策
旭川の冬は屋外の気温が氷点下となる期間が長く、暖房を長時間使用します。暖房は室内の湿度を大きく下げるため、ドライアイの大敵です。
対策としては、加湿器を使用して湿度を40〜60%に保つ、暖房の温度を下げすぎない・上げすぎない、水を入れた容器を暖房の近くに置く、といった工夫が有効です。加湿器の水はこまめに交換して衛生的に保ってください。
雪面反射・紫外線への対策
冬季の晴天時は、雪面からの紫外線反射が非常に強くなります。強い紫外線は目の表面の炎症を促し、ドライアイを悪化させる可能性があります。
外出時にはUVカット機能付きのサングラスや帽子を着用してください。防風効果のあるゴーグルタイプのメガネは、風による涙の蒸発も防げるため、ドライアイの方にはおすすめです。
冷たい外気と乾燥した室内の温度差
寒い外気から急に暖かい乾燥した室内に移動する温度差も、目に負担をかけます。外出後は数分間、涼しい玄関で目を慣らしてから暖かい部屋に入る、加湿されている部屋で過ごす、といった工夫でも症状の悪化を和らげられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. ドライアイは完治しますか?
ドライアイは完治が難しい疾患とされています。加齢・生活環境・ホルモン変化など根本的な要因を取り除くことが難しいためです。治療の目的は「症状を軽減し、目の表面のダメージを防ぎながら快適に過ごせる状態を保つこと」で、定期的な治療と生活習慣の見直しで症状をコントロールしていくのが現実的です。「治す」より「上手に付き合う」という姿勢が大切です。
Q2. 市販の目薬とクリニックで処方される目薬の違いは何ですか?
市販の目薬の多くは水分補充が中心で、症状の一時的な緩和に用いられます。防腐剤や清涼剤が含まれているものも多く、長期使用で目に負担がかかることがあります。クリニックでは、ドライアイのタイプ(水分不足型・蒸発亢進型)に応じて、ヒアルロン酸・ジクアホソル・レバミピドなどを使い分けます。防腐剤フリーの製品も含めて、症状に合った処方が可能です。ドライアイが続く方は、自己判断で市販薬を使い続けるより、眼科で診断を受けることをおすすめします。
Q3. ホットアイマスクは毎日使ってもいいですか?
はい、多くの方は毎日使用しても問題ありません。特に蒸発亢進型ドライアイ(マイボーム腺機能不全)の方には、1日1〜2回のホットアイマスクが効果的です。40℃程度で5〜10分程度が目安です。ただし、熱すぎるものや長時間の使用はまぶたの皮膚を痛めることがあるため、適切な温度と時間を守ってください。目の周囲に感染症や皮膚炎がある場合は使用を控えてください。
Q4. コンタクトレンズをやめればドライアイは治りますか?
コンタクトレンズはドライアイの悪化要因の一つですが、それだけが原因とは限りません。コンタクトを外すことで症状が軽減する方は多いですが、加齢や生活習慣・全身要因が背景にある場合は、コンタクトをやめても完全に治るわけではありません。まずは装用時間を短くする・休日はメガネにする・水分含有量の多いレンズに変えるといった対策から試し、症状が続くようであれば眼科で相談してください。
Q5. 目薬をさすときに気をつけることはありますか?
複数の目薬を処方されている場合、点眼と点眼の間隔を5分以上あけることが大切です。同時にさすと最初の目薬が流されてしまい、効果が十分に得られません。また、目薬の容器の先端が目やまつげに触れないようにして、感染や汚染を防いでください。点眼後は目を静かに閉じて1〜2分ほど休むと、薬が目の表面によく行き渡ります。指示された回数を守り、自己判断で回数を増減しないようにしましょう。
旭川でドライアイのご相談は十川眼科へ
十川眼科は旭川市緑が丘に位置する眼科クリニックです。ドライアイの診断・タイプ判定・点眼治療・涙点プラグなどの治療に対応しています。
「目が乾いてつらい」「市販の目薬では改善しない」「コンタクトレンズが辛くなってきた」「冬になると目の症状が強くなる」といったお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。涙液検査・角膜の状態評価・マイボーム腺の観察などを組み合わせて、あなたのドライアイのタイプに合った治し方をご提案します。
旭川市は冬季の暖房・乾燥・雪面反射など、ドライアイが悪化しやすい環境が長く続く地域です。生活環境と症状に合わせた対策を一緒に考えていきましょう。
【院長コメント】ドライアイは「原因を知ること」から治療が始まる
外来でドライアイのご相談を受けていて感じるのは、多くの方が「ずっと市販の目薬でしのいできた」というケースが本当に多いということです。市販の目薬で一時的に症状は和らぐかもしれませんが、実際にはドライアイのタイプに合っていない目薬を長期間使い続けていたり、含まれている防腐剤で逆に目に負担をかけていたりすることも少なくありません。
ドライアイ治療でまず大切にしていただきたいのは、「自分のドライアイがどのタイプなのか」を知ることです。水分不足型なのか、蒸発亢進型なのか、あるいは混合型なのか。タイプによって適切な治し方は大きく異なります。同じ「乾く」という症状でも、原因が違えば効く治療も違うのです。
特に近年注目されているのが、蒸発亢進型ドライアイの背景にある「マイボーム腺機能不全(MGD)」です。実はドライアイ全体の8割程度がこのタイプと言われており、単に涙を補うだけでは根本的な改善が難しいケースが多くあります。ホットアイマスクやまぶたの縁の清潔管理といったセルフケアと、ジクアスやムコスタといった涙の質を改善する点眼薬の組み合わせで、症状が大きく変わってきます。
旭川で診療していて、冬季にドライアイが悪化して来院される方は本当に多いです。暖房による強い乾燥、雪面反射の紫外線、冷たい外気と暖かい室内の温度差といった環境要因が重なる季節です。加湿器の使用、UVカットサングラスやゴーグルタイプの眼鏡の活用、ホットアイマスクなど、少しの工夫で症状は変わります。
ドライアイは「完治する病気」ではなく「上手に付き合っていく病気」です。焦らず、根気強く続けることが大切です。市販の目薬を使い続けても改善しないと感じている方は、ぜひ一度診察にお越しください。あなたのドライアイのタイプに合った治し方を一緒に見つけていきましょう。
十川眼科 院長 十川健司(日本眼科学会専門医・医学博士)
まとめ
ドライアイは、涙の量や質が変化することで目の表面が乾燥・傷ついたり不快感が続く疾患です。完治は難しいものの、適切な治療とセルフケアの組み合わせで症状を大きく改善できます。
治し方の基本は「悪化要因の除去(環境改善・生活習慣)」「点眼治療」「専門治療」の3つです。ドライアイのタイプ(水分不足型・蒸発亢進型・混合型)を正確に判定し、それに応じた治療を選ぶことが重要です。
セルフケアとして、まばたきの意識・PC/スマホの休憩・ホットアイマスク・加湿器・コンタクトレンズの装用時間見直し・バランスのよい食事などが有効です。眼科ではヒアルロン酸・ジクアス・ムコスタなど症状に応じた点眼薬が処方されます。それでも改善しない場合は、涙点プラグ・IPL治療・血清点眼などの専門治療が選択肢となります。
シェーグレン症候群やマイボーム腺機能不全など、背景に別の疾患が潜んでいるケースもあります。市販の目薬を長期間使っても改善しない方、症状が生活に支障をきたしている方は、自己判断せず眼科でドライアイのタイプを正確に判定してもらうことが治療の第一歩です。
旭川の冬季は暖房・乾燥・雪面反射など、ドライアイが悪化しやすい環境が続きます。地域の特性を踏まえた対策と適切な治療で、快適な目の環境を保っていきましょう。


