白内障セルフチェック|自宅で確認できる5つの症状と受診の目安

白内障のセルフチェック方法と受診のタイミング
白内障は誰にでも起こりうる目の病気です。特に50歳を過ぎると発症リスクが高まり、80歳以上ではほぼ全員に何らかの水晶体の濁りが見られます。
しかし、初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうケースも少なくありません。
この記事では、自宅で簡単にできる白内障のセルフチェック方法と、眼科を受診すべきタイミングについて詳しく解説します。早期発見が、快適な視生活を守る鍵になります。
白内障とは何か|水晶体の濁りが引き起こす視力低下
白内障は、目の中にある「水晶体」が白く濁る病気です。
水晶体はカメラのレンズのような役割を果たしており、外からの光を集めてピントを合わせる働きをしています。本来は透明な組織ですが、加齢や様々な原因によって白く濁ってしまうと、光が正常に通過できなくなります。
その結果、視界がかすんだり、まぶしく感じたり、物が二重に見えるといった症状が現れます。
「白内障は高齢者の病気」と思われがちですが、実際には若い世代でも発症することがあります。
だからこそ、年齢に関わらず定期的な目のチェックが重要なのです。
自宅でできる白内障セルフチェック|5つの主要症状
白内障の早期発見には、日常生活での見え方の変化に気づくことが肝要です。
以下の5つの症状のうち、1つでも当てはまれば白内障の可能性があります。複数当てはまる場合は、より可能性が高くなるため、早めの眼科受診をおすすめします。
1. 視界がかすむ・霧がかかったように見える
最も代表的な症状が、目のかすみです。
まるで霧がかかったように見えたり、曇りガラス越しに物を見ているような感覚があれば要注意です。この症状は皮質白内障に多く見られ、加齢に伴う白内障の中で最も多いタイプとされています。
初期段階では気づきにくいのですが、進行すると日常生活に支障をきたすようになります。新聞を読んでいて疲れやすくなったり、テレビの字幕が見えにくくなったりした場合は、白内障の可能性を考えましょう。
2. 光がまぶしく感じる
水晶体が濁ると、光がまっすぐ網膜に届かず散乱してしまいます。
その結果、晴れた日の屋外や車のヘッドライト、街灯などが異常にまぶしく感じられるようになります。特に夜間の運転時に対向車のライトがまぶしくて困るという方は、白内障を疑った方が良いでしょう。
逆光の状態でも見えにくさを感じることが多く、日差しの強い場所では視力が低下したように感じることもあります。
3. 物が二重・三重に見える
片目で見たときに物が重なって見える症状も、白内障の特徴的なサインです。
水晶体が不均一に濁っていると、光の屈折が乱れて複数の像が見えるようになります。夜間に片目ずつ月を見てみると、この症状がわかりやすいでしょう。
ただし、両目で見ても物が重なって見える場合は、白内障以外の目の病気が考えられますので、速やかに眼科を受診してください。
4. 天気によって見え方が変わる
晴れの日と曇りの日、あるいは夜間で見え方が違うと感じたら、白内障のサインかもしれません。
水晶体の濁り方には個人差があり、進行段階によっても異なりますが、光の量や質によって視界の状態が変化するのが特徴です。室内では問題なくても、日差しの強い屋外では視力が低下するといったケースもよく見られます。
5. 左右の目で見え方が異なる
白内障は片目ずつ発症するタイミングが違う場合があります。
遠くの景色を見たときに左右の目で見え方に違いを感じたり、片目だけ視力が下がったように感じる場合は、白内障の可能性があります。左右差による違和感が自覚症状として現れることも多いため、定期的に片目ずつ視力をチェックしてみることをおすすめします。
こんな症状があれば要注意|見逃しやすいサイン
主要な5つの症状以外にも、白内障を示唆するサインがあります。
これらの症状は見逃されやすいのですが、白内障の進行を早期に発見する手がかりになります。
老眼鏡が合わなくなった・不要になった
意外に思われるかもしれませんが、老眼鏡が急に合わなくなったり、逆に老眼鏡が不要になったりすることがあります。
これは水晶体の濁りによってピント調節機能が変化するためです。「老眼が治った」と喜んでいたら、実は白内障の初期症状だったというケースもあります。
眼鏡を作り直そうとしたのに視力が出ないと言われた場合も、白内障を疑う必要があります。
目が疲れやすくなった
水晶体が濁るとピント調節がうまくできなくなります。
それでも何とかピントを合わせようと水晶体周辺の筋肉が必要以上に働くため、目の疲れにつながります。長時間の読書ができなくなったり、精密な作業が続けられなくなったりした場合は、白内障の可能性を考えましょう。
白い壁が黄色く見える
水晶体が濁ると、色の見え方も変化することがあります。
特に白い壁が黄色っぽく見えたり、色彩が全体的にくすんで見えたりする場合は、白内障が進行している可能性があります。画家や色を扱う仕事をされている方は、この変化に気づきやすいかもしれません。
距離感がつかみにくくなった
階段の上り下りが不安になったり、よく転ぶようになったりした場合も注意が必要です。
白内障によって視力が低下すると、距離感がつかみにくくなります。特に一人暮らしの高齢者の方は、転倒のリスクが高まるため、早めの対処が重要です。
白内障の受診タイミング|いつ眼科に行くべきか
セルフチェックで症状に気づいたら、どのタイミングで眼科を受診すべきでしょうか。
ここでは、受診の目安と放置した場合のリスクについて解説します。
症状が1つでもあれば早めの受診を
前述の症状のうち、1つでも当てはまるものがあれば、眼科での検査をおすすめします。
白内障は初期段階では進行が緩やかですが、ある程度進行しないと自覚症状に気づきにくいという側面があります。症状に気づいた時点で、すでにある程度進行している可能性が高いのです。
早期発見できれば、進行を遅らせる目薬による治療や、適切なタイミングでの手術計画を立てることができます。
日常生活に支障が出たら手術を検討
白内障の症状が強く、日常生活に支障が出ている場合は、手術治療を検討する時期です。
具体的には、車の運転に不安を感じる、読書や趣味の活動が困難になった、自動車免許の更新ができなかったといった状況が該当します。視力が矯正視力0.7未満になった場合も、手術を考える一つの目安となります。
ただし、視力低下が見られなくても、放っておくと失明などのリスクがある場合には手術が必要になることもあります。
定期検査の重要性
糖尿病やステロイド薬を長期間使用している方は、定期的な眼科受診が特に重要です。
これらの方は白内障の進行が早い傾向があり、急に症状が悪化することもあります。自覚症状がなくても、3ヶ月から半年に1回程度の定期検査を受けることをおすすめします。
また、50歳を過ぎたら、症状の有無に関わらず年に1回は眼科検診を受けると良いでしょう。早期発見が、将来の視生活を守る鍵になります。
白内障の検査と診断|眼科ではどんな検査をするのか
眼科を受診すると、白内障の診断のために様々な検査が行われます。
基本的な検査は最寄りの眼科クリニックでも受けられますが、手術の適応かどうかを適切に判断するためには、実際に白内障手術を行っている眼科に相談することが望ましいとされています。
主な検査項目
白内障の診断では、まず視力検査が行われます。裸眼視力と矯正視力の両方を測定し、比較します。
次に、細隙灯顕微鏡検査という特殊な顕微鏡を使った検査で、水晶体の濁りの程度を詳しく調べます。暗い部屋で帯状の光を目に当てることで、角膜や水晶体、結膜の状態を確認できます。
さらに、眼圧検査や眼底検査も行われ、緑内障や網膜の病気など、他の目の病気がないかもチェックします。
手術前の精密検査
手術をすることが決まった場合は、眼内レンズの度数を決めるための精密検査が必要になります。
角膜曲率半径や眼軸長、前房深度、水晶体厚などを測定し、患者様に最適なレンズを選択します。この測定は非常に重要で、測定ミスが許されない最も慎重を要する検査です。
最新の測定装置を導入している医療機関では、より正確な測定が可能になっています。
よくある質問|白内障セルフチェックQ&A
Q1. 白内障は何歳から気をつけるべきですか?
早ければ40代から発症する可能性があります。50歳代では約半数の方に水晶体の濁りが確認されており、80歳以上ではほぼ100%の方に何らかの白内障の状態が見られます。50歳を過ぎたら、症状の有無に関わらず年に1回は眼科検診を受けることをおすすめします。
Q2. 白内障は予防できますか?
加齢性白内障を完全に予防することは難しいのですが、紫外線対策(サングラスの着用)や禁煙、バランスの良い食事、糖尿病などの全身疾患の適切な管理によって、進行を遅らせることは可能です。定期的な眼科検診で早期発見することも重要な予防策となります。
Q3. 白内障手術は痛いですか?
手術中は点眼麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。手術時間も5分から10分程度と短く、日帰りで行えるケースがほとんどです。術後しばらくの安静でお帰りいただけます。ただし、術後数日間は目薬を頻回に点眼する必要があります。
Q4. 白内障手術後に再発することはありますか?
白内障手術で濁った水晶体を取り除いた後、再び白内障になることはありません。ただし、手術後数ヶ月から数年経って、眼内レンズを支えている水晶体の袋(後嚢)が濁ってくることがあり、これを「後発白内障」と呼びます。後発白内障はレーザー治療で簡単に治すことができます。
Q5. コンタクトレンズを使っていても白内障になりますか?
コンタクトレンズの使用自体が白内障の直接的な原因になることはありません。ただし、白内障の症状がある場合、レンズに付着した花粉やタンパク質によって症状が増悪する可能性があります。白内障と診断された場合は、医師と相談しながらコンタクトレンズの使用を検討しましょう。
まとめ|早期発見が快適な視生活を守る
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる病気です。
視界のかすみ、まぶしさ、物が二重に見える、天気によって見え方が変わる、左右の目で見え方が異なるといった5つの主要症状のうち、1つでも当てはまれば白内障の可能性があります。
初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な眼科検診が重要です。特に50歳を過ぎたら、年に1回は眼科で検査を受けることをおすすめします。
糖尿病やステロイド薬を使用している方は、より頻繁な検査が必要です。
症状に気づいたら放置せず、早めに眼科を受診しましょう。手術が必要になった場合でも、現在は日帰りで安全に行える技術が確立されています。
快適な視生活を守るために、セルフチェックをしてみましょう。
白内障に関するご相談や検診をご希望の方は、十川眼科にお気軽にご連絡ください。
