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白内障の早期発見が大切な理由|初期症状のチェック方法と旭川の眼科医が解説

「最近なんとなく見えにくい気がするけれど、年のせいかな」「まぶしさが気になるけれど、眼科に行くほどではないかも」——白内障の初期症状は日常生活の中でこのように見過ごされやすく、気づいたときにはかなり進行していたというケースが少なくありません。

白内障は早期発見ができれば、進行を観察しながら適切なタイミングで治療に移行することができます。一方で発見が遅れると、手術の難易度が上がったり、他の眼疾患の発見が遅れたりするリスクがあります。

この記事では、白内障の初期症状・自己チェックの方法・眼科での検査・予防習慣まで、早期発見に必要な情報をまとめています。旭川市で「目の調子が少し気になっている」という方にとって、受診の判断材料になれば幸いです。

白内障の早期発見がなぜ重要なのか

白内障は誰にでも起こりうる加齢性の眼疾患です。しかし「よくある病気だから大丈夫」と思って放置することには、いくつかの問題があります。早期発見が重要な理由を整理しておきます。

初期は自覚症状が出にくい病気

白内障は水晶体が徐々に濁っていく病気であるため、初期段階では自覚症状がほとんどありません。視力の変化はゆっくりと進行するため、「昨日まで見えていたのに今日突然見えなくなった」ということは起こりにくく、それが逆に早期発見を難しくしています。

また、生活スタイルによって気づきにくさに差があります。毎日同じ距離・同じ環境でテレビを見るだけという生活では、視力変化に気づく機会が少なく、外出や運転をする機会が多い方より発見が遅れることがあります。

自覚症状がないことと、白内障が進行していないことは別の話です。定期的な眼科受診による客観的な確認が、早期発見の基本となります。

進行してから気づくと手術難度が上がる

白内障は進行すればするほど、水晶体が硬く膨張した状態になります。手術では超音波で水晶体を砕いて吸引しますが、白内障が成熟・過熟の段階まで進んでいると、この作業の難易度が上がり、手術時間の延長や周囲組織への負担増加につながります。

また、白内障が進行すると眼底の観察が困難になるため、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの重要な眼疾患が隠れていても発見できないことがあります。白内障の早期発見は、手術をスムーズに行うためだけでなく、眼全体の健康を守るためにも意味があります。

白内障の初期症状|見逃しやすいサインを整理する

白内障の初期症状は多岐にわたります。「単なる疲れ目」「老化現象」と判断してしまいがちなサインも含まれているため、一つひとつを丁寧に確認してみてください。

視界のかすみ・ぼやけ

最も多く見られる症状です。まるで曇りガラスを通して見ているような感覚、あるいは眼鏡のレンズが汚れているような見え方が続く場合、白内障の可能性があります。

この症状は徐々に進行するため「そういうものかな」と慣れてしまいやすいのが特徴です。特に皮質白内障(水晶体の外側から濁るタイプ)に多く見られます。

まぶしさが強くなった(羞明)

水晶体が濁ると光が散乱しやすくなるため、以前より強くまぶしさを感じるようになります。晴れた日の屋外、逆光の状態、対向車のヘッドライトなどでまぶしさを強く感じる場合は注意が必要です。

旭川の冬は雪面からの紫外線反射が強く、晴天時の雪景色のまぶしさが白内障症状を悪化させたように感じさせることもあります。以前より屋外のまぶしさが気になるようになったという変化には敏感になっておきましょう。

夜間の見えにくさ・ハロ・グレア

夜間や薄暗い場所での見えにくさは、白内障の初期サインのひとつです。光源の周りに輪がかかって見えるハロ現象や、光がにじんで広がって見えるグレアが起こることもあります。

夜間運転中に対向車のライトがにじんで見える・異常にまぶしく感じるといった変化があれば、早めに眼科を受診することをおすすめします。安全面にも直接かかわる症状です。

色の見え方の変化(黄味がかって見える)

白内障が進行すると水晶体が黄色や茶色に変色するため、全体的に黄みがかって見えたり、青・紫などの寒色系の色の識別が難しくなったりすることがあります。

この変化は徐々に起こるため自覚しにくいですが、「洗濯物の白さが以前と違う気がする」「テレビの色が少し変わって見える」といった違和感として現れることがあります。

片目で見るとものが二重に見える(単眼複視)

水晶体の濁り方が不均一な場合、片目で見たときにものが二重・三重に見える単眼複視が起こることがあります。両目で見て二重に見える場合(両眼複視)とは異なり、片目を閉じても二重に見える状態が特徴です。

夜間に月を片目で見たときに二重に見える、街灯がにじんで複数に見えるといった場合は、白内障の可能性を疑ってみましょう。

老眼鏡が不要になった・近くが見えるようになった

核白内障(水晶体の中心部から濁るタイプ)では、水晶体の屈折率が変化して近視化が進むため、それまで老眼だった方が「老眼鏡なしで近くが見えるようになった」と感じることがあります。

一見うれしい変化に感じますが、これは白内障の進行サインです。この状態は長続きせず、白内障が進行するにつれて再び視力は低下します。老眼が突然改善したと感じた場合は、眼科での確認をおすすめします。

メガネの度数が短期間で合わなくなる

2〜3年以内に眼鏡の度数を複数回作り直している、新しい眼鏡を作ってもすぐに合わなくなるという場合も、白内障による視力変化を疑う手がかりになります。白内障の進行によって屈折度数が変化することが原因のことがあります。

白内障の種類によって症状の出方が違う

白内障は水晶体のどの部分から濁り始めるかによって3つのタイプに分けられ、症状の現れ方がそれぞれ異なります。自分の症状がどのタイプに近いかを把握しておくことで、より早い段階での受診判断につながります。

皮質白内障(最も多いタイプ)

水晶体の外側(皮質)から濁り始めるタイプで、加齢による白内障の中で最も多く見られます。車輪のスポークのように周辺から中心に向かって濁りが広がるため、初期は中心の視力への影響が少なく、症状に気づきにくいのが特徴です。かすみ・ぼやけが徐々に現れます。

核白内障(老眼と混同されやすい)

水晶体の中心部(核)が硬く黄色く濁るタイプです。近視化が進むため、老眼の改善と混同されやすく、発見が遅れることがあります。色の見え方の変化(黄みがかり)や単眼複視も現れやすいです。進行は比較的ゆっくりですが、硬化した水晶体は手術難度を上げる要因になります。

後嚢下白内障(進行が速いタイプ)

水晶体の後ろ側(後嚢直下)から濁るタイプで、3種類の中で進行が最も速く、初期から症状が出やすいのが特徴です。強いまぶしさや近距離の視力低下が現れやすく、糖尿病・ステロイド薬の長期使用・強度近視の方に多く見られます。比較的若い年代でも発症することがあるため注意が必要です。

自宅でできる白内障セルフチェック

眼科を受診する前に、日常生活の中でできる簡単な確認方法があります。あくまで受診の目安として活用してください。

片目ずつ交互に確認する方法

白内障は片目から進行することもあります。片方の目を手で覆い、もう片方の目だけで遠くの景色・文字・物を確認します。次に逆の目で同じものを確認し、左右で見え方に違いがないかチェックします。かすみ・ぼやけ・まぶしさ・色の見え方に左右差がある場合は、受診の目安になります。

夜間・光源でのチェック方法

暗い部屋で月や街灯などの光源を片目ずつ見てみましょう。光の周りに輪がかかって見える(ハロ)、光がにじんで広がって見える(グレア)、または光源が二重・三重に見える場合は白内障の可能性があります。旭川の冬に雪景色の光を見てまぶしさが増したと感じる場合も、この確認をしてみてください。

こんな変化があったら眼科へ

以下のような変化が続いている場合は、日常生活への影響が出はじめているサインです。自己判断せず、眼科での検査を受けることをおすすめします。

  • 新聞・本の文字が読みにくくなってきた
  • テレビの字幕やひとの顔がぼやける
  • 夜間の運転に不安を感じるようになった
  • まぶしくて外出が億劫になってきた
  • 眼鏡を替えたのにすぐに合わなくなる
  • 老眼鏡が突然不要になった
  • 片目で見るとものが二重に見える

白内障の早期発見に有効な眼科での検査

自己チェックで気になることがあれば、眼科での検査が確認の早道です。白内障の診断に使われる主な検査を紹介します。

視力検査・細隙灯顕微鏡検査

視力検査では矯正視力を測定し、眼鏡では十分に改善しない視力低下がないかを確認します。白内障の診断において最も重要な検査が、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)を使った検査です。細い光の帯を目に当て、水晶体の濁りの位置・形状・程度を立体的に観察することで、白内障の種類と進行度を判断します。

眼底検査で他の眼疾患も同時に確認

眼底検査では、散瞳薬で瞳孔を開いたうえで網膜・視神経の状態を確認します。白内障の有無だけでなく、加齢黄斑変性・糖尿病網膜症・緑内障などの他の眼疾患が隠れていないかを同時にチェックできます。

白内障が進行していると眼底が観察しにくくなるため、早い段階での眼底検査が他疾患の早期発見にもつながります。検査当日は散瞳薬の効果で数時間見えにくくなることがあるため、公共交通機関を使っての受診をおすすめします。

白内障を早期発見するために知っておきたいリスク因子

白内障の発症・進行には加齢以外にもいくつかのリスク因子があります。自分に当てはまるものがないか確認しておきましょう。

加齢・紫外線・糖尿病・アトピー性皮膚炎

白内障の最大の原因は加齢です。60代で70〜80%、80代以上ではほぼ全員が何らかの白内障を持つとされています。加齢以外では、紫外線の長期曝露、糖尿病(高血糖状態が水晶体に影響する)、アトピー性皮膚炎(目の周囲をこする刺激が影響するとされる)がリスク因子として知られています。糖尿病がある方は30〜40代から発症することもあり、早めの眼科受診が大切です。

ステロイド薬の長期使用

ステロイド薬(点眼・内服・外用を含む)を長期間使用している方は、後嚢下白内障のリスクが高くなることが知られています。持病の治療でステロイド薬を継続使用している場合は、定期的な眼科受診で白内障の進行確認をしておくことが望ましいです。

旭川の環境と白内障リスク

旭川市は内陸性気候で、冬季の降雪量が多く、雪面による紫外線反射が強い地域です。積雪期の晴天時は雪が太陽光を反射するため、歩いているだけで紫外線を浴びやすい環境にあります。また、冬の暖房による室内乾燥はドライアイを悪化させ、目への負担を増やします。

こうした環境要因から、旭川在住の方は紫外線対策を意識的に行うことが白内障の予防・進行抑制のうえで重要です。

白内障の進行を遅らせるための日常習慣

白内障を完全に予防することは難しいですが、発症や進行を遅らせる可能性のある生活習慣があります。

紫外線対策(サングラス・帽子)

紫外線は水晶体の酸化を促進し、白内障のリスクを高めます。外出時はUVカット機能付きのサングラスと帽子を習慣にしましょう。旭川では春先から初夏、また冬の晴天時も雪面反射による紫外線が強いため、年間を通じた対策が有効です。サングラスは顔に密着するタイプや横からの光も遮れるものが、側面からの紫外線も防げるのでより効果的です。

抗酸化物質を含む食事

水晶体の酸化を防ぐ抗酸化物質を含む食品を積極的に摂ることが、白内障の予防に役立つとされています。ビタミンC(柑橘類・ブロッコリー・パプリカなど)、ビタミンE(ナッツ類・種子・植物油など)、ルテイン(ほうれん草・ケールなど緑黄色野菜)などが代表的です。サプリメントに頼りすぎず、日々の食事から摂取することを基本にしましょう。

また喫煙は白内障のリスクを高めることが報告されています。禁煙も長期的な眼の健康維持に有効な対策です。

定期的な眼科受診の習慣

何よりも重要なのが、定期的な眼科受診を習慣にすることです。自覚症状がない段階でも、眼科での検査によって白内障の有無や進行度を客観的に把握できます。特に40歳を超えたら、症状がなくても年1回程度の眼科受診をおすすめしています。糖尿病・アトピー・ステロイド薬使用中の方はより頻繁な受診が必要です。

何歳から眼科検診を受けるべきか

白内障が増えはじめる年齢は50代以降ですが、40歳を超えたら定期的な眼科検診を始めることをおすすめしています。理由は2つあります。

ひとつは、白内障だけでなく緑内障・加齢黄斑変性など、40代から発症リスクが高まる眼疾患がいくつかあり、これらも自覚症状に乏しいまま進行することがあるためです。もうひとつは、現在の眼の状態を「基準値」として記録しておくことで、その後の変化を比較しやすくなるためです。

糖尿病・アトピー・ステロイド薬使用中の方はリスクが高いため、30〜40代からでも定期受診を始めることが望ましいです。「まだ若いから大丈夫」ではなく、「今の状態を知る」という姿勢が早期発見の土台になります。

【院長コメント】早期発見で変わること

「見えにくくなったら来院すればいい」という考えは、残念ながら白内障においては適切とは言えません。外来で多くの患者さんを診ていると、「もっと早く来ていれば」と思うケースに出会うことがあります。

白内障の早期発見で変わることは大きく3つあります。まず、手術をするかどうかを余裕を持って判断できること。次に、白内障の裏に隠れていた他の眼疾患(加齢黄斑変性や緑内障など)を早い段階で発見できること。そして、進行が速い核白内障や後嚢下白内障であっても、適切なタイミングで手術に移行できることです。

初期症状は「年のせい」と片付けられやすいものばかりです。だからこそ、この記事に書いたような変化を日常の中で意識しながら、定期的に眼科を受診していただきたいと思っています。

旭川の冬は積雪・路面凍結・強い紫外線反射と、眼にとって負荷のかかる環境が続きます。視力の低下は転倒リスクにも直結します。「少し気になる」という段階で来ていただけると、一番穏やかな形で対応できます。

十川眼科 院長 十川健司(日本眼科学会専門医・医学博士)

旭川で白内障の検査・相談は十川眼科へ

十川眼科は旭川市緑が丘に位置する眼科クリニックです。白内障の初期診断・経過観察・手術まで一貫して対応しています。「まだ手術は必要ないかもしれないけれど、一度診てほしい」という段階からでもお気軽にご相談ください。

細隙灯顕微鏡による水晶体の観察・視力検査・眼底検査をとおして、現在の眼の状態を丁寧にご説明します。旭川市近郊で「目が少し気になっている」「白内障かどうか確認したい」という方は、ぜひご来院ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 白内障の初期症状に気づくためにはどうすればいいですか?

日常生活の中で片目ずつ交互に見え方を確認することが有効です。左右で見え方にかすみ・ぼやけ・まぶしさ・色の見え方の差がないかを定期的に確認しましょう。夜間に光源を片目ずつ見てハロやグレアが出ていないかチェックする方法も有効です。ただし自己チェックはあくまで受診の目安であり、正確な診断には眼科での検査が必要です。

Q2. 何歳から白内障の検診を受けるべきですか?

40歳を超えたら症状がなくても年1回程度の眼科受診を始めることをおすすめしています。糖尿病・アトピー性皮膚炎・ステロイド薬の長期使用がある方はリスクが高いため、30〜40代からでも定期受診を始めることが望ましいです。自覚症状がない段階での定期受診が、早期発見の基本となります。

Q3. 白内障と老眼はどう見分ければいいですか?

老眼は水晶体の弾力性が低下して近くにピントが合わせにくくなる状態で、眼鏡で矯正できます。白内障は水晶体の濁りによるものであり、眼鏡では十分に矯正できません。また、老眼がいったん改善して近くが見えやすくなった場合は、老眼が治ったのではなく核白内障による近視化の可能性があります。見え方の変化が気になる場合は眼科で確認することが大切です。

Q4. 白内障の進行を遅らせる方法はありますか?

完全な予防は難しいですが、紫外線対策(UVカット機能付きサングラス・帽子の着用)、抗酸化物質を含む食事(ビタミンC・E・ルテインを含む食品)、禁煙、糖尿病などの生活習慣病の管理が、進行を遅らせる可能性があるとされています。また初期段階では点眼薬(ピレノキシン製剤など)が処方されることがありますが、これは進行抑制を目的とするものであり、濁りを取り除く効果はありません。

Q5. 白内障と診断されましたが、まだ手術は必要ないと言われました。どうすればいいですか?

白内障と診断されてもすぐに手術が必要とは限りません。初期〜中期段階で日常生活への支障が少ない場合は、定期的な検査で経過を観察しながら手術のタイミングを見極めることが一般的です。大切なのは定期受診を続けること、そして「見えにくい」「まぶしい」などの変化があれば次の受診を待たずに相談することです。自己判断で受診をやめてしまうと、進行を見逃すリスクがあります。

白内障の原因を知ることが予防の第一歩

予防を語る前に、まず白内障がなぜ起こるのかを理解しましょう。

白内障は、目の中の水晶体が白く濁る病気です。水晶体はカメラのレンズのような役割を果たしており、透明であることで光を正しく屈折させ、網膜に像を結びます。この水晶体が濁ると、視界が暗くなったり、まぶしく感じたり、物がかすんで見えたりするのです。

加齢による酸化ストレスが主な原因

白内障の大半を占めるのが「加齢性白内障」です。年齢を重ねると、水晶体を構成するタンパク質が酸化によって変性します。卵の白身を加熱すると白く固まるのと似た現象が、目の中で起こっていると考えてください。一度変性したタンパク質は元に戻りません。

酸化ストレスを増大させる要因は様々です。紫外線、喫煙、不規則な生活習慣、糖尿病などの生活習慣病。これらが水晶体の老化を加速させます。

今日から始める白内障予防法

1. 点眼薬による進行抑制

白内障の進行を遅らせる点眼薬があります。「ピレノキシン点眼液」や「カタリンK点眼液」です。これらは白内障を引き起こすキノイド物質の生成を抑制し、水晶体の白濁を防ぐ効果があります。

ただし、点眼治療は進行防止が目的であり、完治させるものではありません。すでに濁った水晶体を透明に戻すことはできないのです。定期的な検査を受けながら、医師の指導のもとで使用することが肝要です。

初期段階で発見し、早めに点眼を始めることで、手術が必要になる時期を遅らせることができます。

2. 紫外線対策は色の薄いサングラスで

紫外線が水晶体に吸収されると、活性酸素が発生し酸化が促進されます。屋外で長時間過ごす方、特にスポーツや畑仕事をされる方は要注意です。

サングラスは「色の薄い紫外線カット率の高いもの」を選んでください。色が濃いサングラスは逆効果になることがあるのです。人間の瞳は暗いところで瞳孔が開き、より多くの光を取り込もうとします。紫外線カット機能のない濃い色のレンズでは、瞳孔が開いた状態で多くの紫外線を浴びてしまうのです。

選ぶ際は「紫外線透過率1.0%以下」や「紫外線カット率99%以上」という表示を確認しましょう。

抗酸化作用のある食品を積極的に摂取

水晶体のタンパク質が酸化することで白内障が進行しますから、抗酸化作用を持つ栄養素を積極的に摂取することが予防に繋がります。特に以下の栄養素が重要です。

ビタミンC

焼きのり、緑茶、レモン、いちご、ブロッコリーなどに豊富です。水溶性ビタミンで加熱により分解されやすいため、生で食べられるものは生で摂取するのが理想的です。

ベータカロチン・ルテイン

ほうれん草、にんじん、かぼちゃ、ピーマンなどの緑黄色野菜に多く含まれます。強い抗酸化作用があり、目の健康維持に欠かせません。

ゼアキサンチン

オレンジジュース、ブロッコリー、とうもろこし、柿などに含まれます。ルテインと同様、黄斑部に存在して目を守る働きがあります。

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、酸化ストレスから水晶体を守ることができます。

4. 糖尿病対策としての食生活改善

血液中の糖分が水晶体内にソルビトールという物質として蓄積し、浸透圧の変化により水分量が増加。これが白内障を引き起こすのです。糖尿病性白内障は進行が速いという特徴もあります。

栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。お菓子やジュース、お酒にも糖分が多く含まれているものがあります。糖質の取りすぎに注意し、血糖値のコントロールを意識しましょう。

生活習慣の改善で白内障リスクを下げる

5. 適度な運動で血流改善

運動不足は万病の元、と言いますが白内障予防にも当てはまります。

適度な運動により血流が改善され、目の組織にも十分な栄養と酸素が供給されます。これが白内障の予防に効果があると考えられています。また、生活習慣病の予防にもなりますから、一石二鳥です。

ウォーキング、軽いジョギング、水泳など、無理のない範囲で継続できる運動を選びましょう。ただし、屋外で運動する場合は紫外線対策を忘れずに。

6. 禁煙で白内障リスクを大幅に低減

喫煙は白内障の発症リスクを高めます。これは科学的に証明されています。

ニコチンが毛細血管を収縮させ、血流が悪くなります。さらに、抗酸化作用のあるビタミンCを破壊することも分かっています。つまり、喫煙は二重の意味で白内障のリスクを高めるのです。

禁煙することで、白内障の発症リスクは確実に低下します。すでに喫煙されている方は、今日から禁煙を検討してみてください。禁煙外来などのサポートを利用するのも一つの方法です。

7. 生活習慣病の予防と管理

高血圧、脂質異常症、心血管系疾患なども白内障のリスク要因となります。

酸化ストレスを増大させる要因として、不規則な生活習慣や睡眠不足も挙げられます。日ごろから規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠を取ることが重要です。

過度なアルコールの摂取も避けましょう。適量であれば問題ありませんが、飲み過ぎは体全体の健康を損ないます。

早期発見が何より重要な理由

どれだけ予防に努めても、加齢による白内障を完全に防ぐことはできません。

だからこそ、早期発見が鍵になります。初期段階で発見できれば、点眼治療により進行を遅らせることができます。手術が必要になる時期を何年も先延ばしにできる可能性があるのです。

40代以降の方は、年に一度は眼科検診を受けることをお勧めします。自覚症状がなくても、専門的な検査により初期の白内障を発見できることがあります。

当院では、白内障について熟知した視能訓練士が検査を担当し、多角的な視点で患者様の症状を把握する体制を整えています。初診から手術、術後まで一貫して診察・執刀しますので、途中で医師が替わることはありません。

白内障手術という選択肢について

予防に努めても、いずれ白内障が進行し日常生活に支障が出ることがあります。

その場合、手術が根本的な治療法となります。白内障手術では、白く濁った水晶体を粉砕・吸引除去し、代わりに眼内レンズを挿入します。眼内レンズは長期間使用しても健康上問題なく、一度手術をすれば白内障が再発することはありません。

よくある質問(Q&A)

Q1. 白内障は完全に予防できますか?

残念ながら、現代の医学では白内障を100%予防する方法はありません。加齢による白内障は誰にでも起こり得る自然な老化現象です。ただし、発症を遅らせたり進行を緩やかにしたりすることは可能です。早期発見と進行予防が最も大切です。

Q2. 点眼薬だけで白内障は治りますか?

点眼薬は白内障の進行を遅らせる効果がありますが、完治させることはできません。すでに濁った水晶体を透明に戻すことは不可能です。白内障の根本治療は手術のみとなります。点眼治療は進行防止が目的であり、定期的な検査を受けながら使用することが重要です。

Q3. サングラスは色が濃い方が効果的ですか?

いいえ、むしろ逆です。色の薄い紫外線カット率の高いサングラスを選んでください。色が濃いレンズでは瞳孔が開き、紫外線カット機能がない場合は多くの紫外線を浴びてしまいます。「紫外線透過率1.0%以下」などの表示を確認し、性能を重視して選びましょう。

Q4. どのくらいの頻度で眼科検診を受けるべきですか?

40代以降の方は年に一度の眼科検診をお勧めします。自覚症状がなくても、専門的な検査により初期の白内障を発見できることがあります。すでに白内障と診断されている方は、医師の指示に従い定期的に検査を受けてください。

Q5. 白内障手術は痛いですか?

当院では2段階の麻酔を行い、痛みの少ない手術を実施しています。多くの患者様が「思ったより痛くなかった」とおっしゃいます。手術中の不安や痛みについては遠慮なくご相談ください。安心して治療を受けていただける体制を整えています。

まとめ:今日から始める白内障予防

白内障は加齢とともに誰にでも起こり得る病気です。完全な予防は難しいものの、発症を遅らせ進行を緩やかにすることは十分可能です。

今日ご紹介した

    • 点眼薬による進行抑制
    • 色の薄い紫外線カットサングラスの使用
    • 抗酸化作用のある食品の積極的摂取
    • 糖尿病対策としての食生活改善
    • 適度な運動による血流改善
    • 禁煙によるリスク低減
    • 生活習慣病の予防と管理

を実践しましょう。

そして何より重要なのは、定期的な眼科検診による早期発見です。初期段階で発見できれば、点眼治療により手術が必要になる時期を大幅に遅らせることができます。

白内障に関するご相談や検診をご希望の方は、十川眼科にお気軽にご連絡ください。

著者情報

医療法人光健会 理事長 十川健司

  • 日本眼科学会専門医・網膜硝子体学会所属
  • 医学博士・眼科手術学会所属
  • 視覚障害者用補装具適合判定医
  • ボトックス施注資格認定医