白内障の初期症状とは?見逃せない6つのサインと対処法

「最近、視界がかすむようになった」「夜の運転で対向車のライトがまぶしく感じる」。
こうした症状に心当たりはありませんか?白内障は「高齢者の病気」と考えられがちですが、実際には40代後半から症状が現れ始めることも珍しくありません。目の中の水晶体が濁ることで起こる白内障は、加齢とともに誰にでも起こりうる自然な変化なんです。
早い方では40代から発症し、50代で約40~50%、60代では70~80%、70代になると80~90%の方に何らかの症状が見られます。そして80歳以上では、ほぼ100%の方が白内障を発症しているとされています。
初期症状を見逃さず、適切なタイミングで対処することが、視力維持の鍵になります。今回は白内障の初期症状として見逃せない6つのサインと、その対処法について詳しく解説します。
白内障とは?水晶体の濁りが引き起こす視覚障害
白内障は、目の中にある水晶体が白く濁ってしまう病気です。
本来透明であるはずの水晶体が濁ることで、外からの光がうまく網膜に届かなくなり、様々な視覚症状を引き起こします。カメラに例えると、レンズが曇ってしまった状態と考えるとわかりやすいでしょう。きれいな写真が撮れなくなるように、私たちの視界もぼやけたり、かすんだりしてしまうのです。
私たちの眼の中には、カメラのレンズに相当する水晶体という組織があります。正常な水晶体は透明ですが、加齢などが原因で、水晶体を構成するタンパク質に異常が生じ、水晶体が濁ってしまうことがあります。水晶体が濁ってくると、光が通りにくくなり、見え方に影響が出ます。
白内障の主な原因と発症メカニズム
白内障の主な原因は加齢です。
ただし、紫外線の長期曝露、喫煙、糖尿病、ステロイド長期使用、眼の外傷なども発症や進行に関わっています。特に糖尿病がある方は白内障の進行が早まる傾向があるため、定期的な眼科検診が重要です。
白内障は進行性の病気ですが、初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いため、気づかないうちに進行していることがあります。定期的な眼科検診で早期発見することが大切です。
白内障6つの初期症状とサイン
白内障の初期症状は非常に微妙で、日常生活の中で「年のせいかな」と見過ごしてしまうことも少なくありません。
しかし、以下の症状が現れたら白内障の可能性を疑ってみましょう。これらの症状が日常生活に支障をきたすようになったら、手術を検討するタイミングかもしれません。一つずつ詳しく見ていきましょう。
白内障の初期症状1. 視界のかすみやぼやけが気になる
白内障の最も一般的な症状は、視界全体がかすんだりぼやけたりすることです。
まるで曇りガラスを通して世界を見ているような感覚になります。初期の段階では、眼鏡やコンタクトレンズの度数を変更することで対応できることもありますが、白内障が進行すると、度数を変えても視界のかすみは改善しなくなります。
特に細かい文字を読むときや夜間の運転中に症状が顕著になることが多いです。新聞や本を読むのが困難になったり、テレビの字幕が読みづらくなったりすることもあります。このような視界のかすみやぼやけが日常生活に支障をきたすようになったら、手術を検討するサインかもしれません。
白内障の初期症状2. 光がまぶしく感じる(羞明)
白内障が進行すると、光に対して異常にまぶしさを感じるようになります。
これは水晶体の濁りによって光が乱反射するために起こる現象です。特に夜間の運転中に対向車のヘッドライトや街灯がまぶしく感じたり、晴れた日の屋外でまぶしさを強く感じたりすることがあります。このまぶしさは、サングラスをかけても十分に軽減されないことが特徴です。
まぶしさのために夜間の運転に不安を感じるようになったり、外出を控えるようになったりした場合は、手術を検討する時期かもしれません。
白内障の初期症状3. 視力低下が進行している
白内障の進行に伴い、視力が徐々に低下していきます。
初期段階では気づきにくいこともありますが、進行すると眼鏡やコンタクトレンズを使用しても視力が改善しなくなります。定期的な視力検査で視力の変化を追跡することが重要です。視力低下が進行し、日常生活に支障が出始めたら、手術のタイミングを考慮すべきでしょう。
特に運転免許の更新時に視力検査で引っかかるようになった場合や、趣味や仕事に必要な細かい作業が困難になった場合は、手術を検討する重要なサインです。視力低下は徐々に進行するため、自分では気づきにくいことがあります。周囲の人から「最近、目が見えにくそうにしている」と指摘されることもあるでしょう。
白内障の初期症状4. ものが二重に見える(複視)
白内障が進行すると、片目でものを見たときに二重に見える症状(単眼複視)が現れることがあります。
これは水晶体の濁りが不均一になることで光の屈折が乱れるために起こります。特に明暗の境界がはっきりしたものを見るときに二重に見えやすくなります。例えば、夜間に街灯や信号を見たときに光が二重に見えることがあります。
この症状は、両目で見ると脳が補正して気づきにくいこともありますが、片目で見ると明らかになることが多いです。日常生活で二重に見える症状が気になるようになったら、手術を検討するサインです。
白内障の初期症状5. 色の識別が難しくなる
白内障が進行すると、水晶体が黄色や茶色に変色することがあり、色の見え方に影響を与えます。
特に青や紫などの寒色系の色が識別しにくくなり、全体的に黄色っぽく見えるようになることがあります。色の識別が難しくなると、服のコーディネートが難しくなったり、信号の色の判別に時間がかかったりすることがあります。これは特に運転をする方にとっては安全上の問題にもなり得ます。
色の識別が難しくなり、日常生活に支障をきたすようになったら、手術を検討するタイミングかもしれません。手術後は色の見え方が改善し、鮮やかな色彩を感じられるようになります。
白内障の初期症状6. 近視の進行(老眼鏡が不要になった)
白内障の一種である核白内障では、水晶体の屈折率が変化して近視が進行することがあります。
長年使っていた眼鏡が合わなくなったり、老眼だった人が突然近くが見えるようになったりする「第二の視力」と呼ばれる現象が起きることもあります。老眼鏡が不要になったと喜ぶ方もいますが、これは白内障の進行のサインかもしれません。一時的に近くが見えるようになっても、白内障の進行とともに再び視力は低下していきます。
白内障の種類と進行度について
白内障は濁りの場所や進行度によっていくつかの種類に分類されます。
濁りの場所によって、皮質白内障(水晶体の外側から濁るタイプ)、核白内障(水晶体の中心部から濁るタイプ)、後嚢下白内障(水晶体の後ろ側から濁るタイプ)に分けられます。それぞれのタイプで症状の現れ方が異なります。
進行度による分類
白内障は進行度に応じて、以下の4段階に分類されます。
初発白内障
水晶体が少しだけ濁った状態で、まだこの段階では視覚に何ら影響はありません。また、肉眼で目をじっと観察しても、濁りを確認することはできません。
未熟白内障
濁りの範囲は広がりますが、まだ視覚はあります。ただし、すりガラスを通して見ている状態なので、視界はややぼやけ、暗い場所では特に物が見えづらくなります。
成熟白内障
水晶体全体が白く濁り、視覚障害が顕著になります。明るいところでも物にぶつかるようになったり、動きたがらずに眠っている時間が増えたりします。
過熟白内障
濁りが強くなり、水晶体のタンパク質が溶け出します。この段階になると、ぶどう膜炎や緑内障、網膜剥離など、さまざまな合併症を引き起こしやすくなります。
初期症状への対処法と予防策
白内障の初期症状に気づいたら、まずは眼科を受診することが重要です。
早期発見・早期治療が視力維持のカギとなります。初期段階では、点眼薬によって進行を遅らせるような治療を行います。残念ながら白内障を治す特効薬はありませんが、進行を遅らせることで、より長い時間視覚を維持できる可能性があります。
生活習慣での予防と対策
白内障はリスク要因を避けることで、ある程度予防できる可能性があります。
酸化ストレスや紫外線への暴露は、白内障のリスク要因になります。そのため、食事やサプリメントで抗酸化作用のあるビタミンC、E、ルテイン、βカロテンなどを摂取する、紫外線の強い時間帯の外出や散歩を避ける、などすると良いでしょう。
外出時はサングラスや帽子を活用しましょう。また、バランスの良い食事も大切です。特に抗酸化作用のあるビタミンC、E、ルテインなどを含む食品を積極的に摂取すると良いでしょう。緑黄色野菜や果物、魚などを日々の食事に取り入れることで、目の健康をサポートできます。
定期的な眼科検診の重要性
40歳を過ぎたら年に一度は眼科を受診することをお勧めします。
視力低下を感じなくても、定期的な眼科検診が欠かせません。白内障は進行性の病気であることから、放置すると症状が進行してしまいます。早期治療が叶えば病気の進行スピードが緩やかになり、より長い時間視覚を維持できる可能性があります。
白内障は、細隙灯顕微鏡検査で水晶体に濁りがないかどうかを確認することで診断できます。また、併発疾患がないかを確認するために、眼圧や涙液量、角膜の傷の有無などを検査することもあります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 白内障は何歳から発症しますか?
早い方では40代から発症し、50代で約40~50%、60代では70~80%の方に何らかの症状が見られます。80歳以上ではほぼ100%の方が白内障を発症しているとされています。ただし、進行の速度や症状の現れ方には個人差があります。
Q2. 白内障は薬で治りますか?
残念ながら白内障を治す特効薬はありません。点眼薬によって進行を遅らせるような治療を行いますが、あくまでスピードを「遅らせる」だけなので、治療をしていても徐々に病気は進行していきます。根本的な治療は手術になります。
Q3. 白内障手術は痛いですか?
ほとんどの白内障手術は点眼麻酔で行われます。麻酔によって手術中はほとんど痛みを感じません。手術の技術向上や機器の進歩によって、短時間での手術が可能になっており、日帰り手術を行っている施設も増えています。
Q4. 白内障は予防できますか?
白内障を完全に予防することはできませんが、リスク要因を避けることで、ある程度予防できる可能性があります。紫外線対策(サングラスや帽子の着用)、バランスの良い食事(抗酸化作用のあるビタミンC、E、ルテインなどの摂取)、定期的な眼科検診などが有効です。
Q5. 白内障手術後の見え方はどうなりますか?
手術後は濁った水晶体が透明な眼内レンズに置き換わるため、視界が明るくクリアになります。色の見え方も改善し、鮮やかな色彩を感じられるようになります。ただし、選択する眼内レンズの種類によって、眼鏡が必要になる場合もあります。
まとめ:早期発見・早期対応が視力維持の鍵
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる病気です。
視界のかすみ、まぶしさ、視力低下、複視、色の識別困難、近視の進行といった6つの初期症状に気づいたら、早めに眼科を受診することが重要です。初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いため、40歳を過ぎたら年に一度は眼科検診を受けることをお勧めします。
早期発見・早期治療が叶えば病気の進行スピードが緩やかになり、より長い時間視覚を維持できる可能性があります。また、紫外線対策やバランスの良い食事など、日常生活での予防策も効果的です。
白内障の症状が進行して日常生活に支障が出るようであれば、手術という選択肢もあります。手術の技術向上や機器の進歩によって、短時間での日帰り手術が可能になっており、多焦点眼内レンズなど様々な選択肢も用意されています。
気になる症状があれば放置せず、専門医に相談しましょう。


