旭川で白内障手術を受けるなら〜費用と選べるレンズの種類
白内障手術を検討されている方へ〜旭川での選択肢
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる目の病気です。水晶体が白く濁ることで、視界がかすんだり、まぶしく感じたりする症状が現れます。
私は眼科専門医として長年にわたり網膜疾患の研究と臨床に携わってきましたが、白内障手術は患者さんの生活の質を劇的に向上させる治療法の一つだと実感しています。特に近年は手術技術の進歩により、安全性と精度が飛躍的に向上しました。
旭川市内には白内障手術を受けられる医療機関がいくつかありますが、どこで手術を受けるべきか、どのような眼内レンズを選ぶべきか、費用はどれくらいかかるのか、多くの方が疑問を抱えていることでしょう。
この記事では、旭川市で白内障手術を検討されている方に向けて、手術の基本情報から選べるレンズの種類、費用の目安まで、医師の立場から詳しくご説明します。

白内障とは?症状と治療の必要性
白内障は目の中の水晶体が白く濁る病気です。通常、水晶体は透明で柔らかいレンズの役割を果たしていますが、加齢などにより徐々に硬くなり、光をうまく通せなくなります。
主な症状としては、視力低下、かすみ、ぼやけ、まぶしさの増加、色の見え方の変化などが挙げられます。初期段階では眼鏡で視力を補正できることもありますが、進行すると日常生活に支障をきたすようになります。白内障の進行は個人差が大きく、比較的早く進む方もいれば、ゆっくりと進行する方もいます。
残念ながら、一度濁ってしまった水晶体は点眼薬などで元に戻ることはありません。白内障の根本的な治療法は手術のみです。手術では濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入します。
「見えづらい」「まぶしい」と感じ始めたら、早めに眼科を受診することをお勧めします。手術のタイミングは症状の程度や生活への影響を考慮して、医師と相談しながら決めていくことが大切です。
白内障手術の流れと費用
白内障手術は現在、多くの場合日帰りで行われています。手術時間は10〜20分程度と比較的短時間で終わりますが、術前検査や術後の経過観察が必要です。
手術の流れ
一般的な白内障手術の流れは以下のようになります:
- 術前検査:視力検査、眼圧検査、角膜内皮細胞検査、眼内レンズ度数測定など
- 手術当日:点眼による局所麻酔を行い、数ミリの切開から濁った水晶体を超音波で砕いて吸引
- 眼内レンズ挿入:水晶体を取り出した後、折りたたんだ眼内レンズを挿入して広げる
- 術後経過観察:翌日から数回の通院で経過を確認
手術は主に超音波乳化吸引術という方法で行われます。この方法では、眼球の白目の部分を数ミリ切開し、濁った水晶体を超音波で砕きながら吸引します。その後、水晶体の代わりとなる眼内レンズを挿入して手術は終了です。
費用の目安
白内障手術の費用は、使用する眼内レンズの種類や入院の有無によって大きく異なります。
保険適用の単焦点眼内レンズを使用した場合、3割負担で片眼あたり約3〜5万円程度が一般的です。両眼の場合は倍の費用がかかります。ただし、高齢者の方は1割または2割負担になるため、費用は更に抑えられます。
一方、多焦点眼内レンズや乱視矯正眼内レンズなどの特殊なレンズを選択する場合は、保険適用外となる部分があり、レンズの種類によって片眼あたり15〜40万円程度の追加費用がかかることがあります。
入院する場合は、入院日数に応じた入院費用が別途必要になります。十川眼科や松井眼科医院では、日帰り手術と入院手術の両方に対応しています。
手術費用について心配な方は、事前に各医療機関に問い合わせることをお勧めします。
選べる眼内レンズの種類と特徴
白内障手術では、取り除いた水晶体の代わりに人工の眼内レンズを挿入します。眼内レンズには大きく分けて「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」があり、それぞれ特徴が異なります。
単焦点レンズ(保険適用)
単焦点レンズは保険適用の一般的なレンズで、一つの距離にのみピントが合うように設計されています。通常は遠方か近方のどちらかに焦点を合わせます。
遠方に焦点を合わせた場合、近くを見るときには老眼鏡が必要になります。逆に近方に焦点を合わせると、遠くを見るときに眼鏡が必要です。単焦点レンズは多焦点レンズに比べて夜間の見え方が良く、コントラスト感度(明暗の差を識別する能力)も優れています。
単焦点レンズは保険適用で費用が抑えられる一方、術後も状況に応じて眼鏡が必要になることを理解しておきましょう。
乱視矯正単焦点レンズ(一部保険適用外)
乱視のある方向けに、乱視も同時に矯正できる単焦点レンズもあります。乱視矯正眼内レンズ(トーリックレンズ)は、乱視を軽減させることで手術後の裸眼視力を向上させます。
ただし、乱視の種類によっては使用できない場合もあり、適応は患者さんの眼の状態に応じて決められます。費用は保険適用部分と適用外部分があり、単焦点レンズより高くなります。
多焦点レンズ(保険適用外)
多焦点レンズは、遠近両用の眼内レンズで、遠くと近くの両方にピントが合うように設計されています。術後は眼鏡をかける頻度が大幅に減少するため、眼鏡依存からの解放を望む方に人気があります。
ただし、多焦点レンズにも限界があります。中間距離(1〜3m)が見えにくく感じる方もいますし、夜間に光源を見ると光がにじんで見える(グレア・ハロー現象)ことがあります。また、緑内障や網膜疾患などがある方には適さない場合があります。
多焦点レンズは保険適用外のため、片眼あたり15〜40万円程度の追加費用がかかります。
レンズ選択は視力だけでなく、生活スタイルや価値観によっても異なります。医師と十分に相談した上で、ご自身に最適なレンズを選ぶことが大切です。
白内障手術のリスクと術後の生活
白内障手術は非常に安全性の高い手術ですが、どんな手術にもリスクはあります。また、術後の生活にも注意点があります。
手術のリスクと合併症
白内障手術の主なリスクとしては、感染症、眼内炎、網膜剥離、眼圧上昇、角膜内皮細胞減少、後発白内障などが挙げられます。ただし、これらの合併症の発生率は非常に低く、多くの場合は適切な治療で対応可能です。
特に感染症については、術前・術後の点眼薬の使用や、清潔な環境での手術実施により予防に努めています。旭川市内の医療機関では、最新の設備と経験豊富な医師による安全な手術環境が整っています。
術後の生活と注意点
術後は以下のような点に注意が必要です:
- 術後1週間程度は激しい運動や重い物の持ち上げを避ける
- 洗顔や洗髪は医師の指示に従う(通常は翌日から可能)
- 処方された点眼薬を指示通りに使用する
- 目をこすらない
- 違和感や痛み、視力低下などの異常を感じたら速やかに受診する
術後の回復は個人差がありますが、多くの場合、手術翌日から徐々に視力が回復し始めます。完全な回復には1〜2週間程度かかることが一般的です。
術後の定期検診も重要です。医師の指示に従って、定期的に受診することをお勧めします。
まとめ〜旭川で白内障手術を受けるなら
白内障手術では、保険適用の単焦点レンズから保険適用外の多焦点レンズまで、様々な選択肢があります。ご自身の生活スタイルや価値観、予算に合わせて最適なレンズを選ぶことが大切です。
費用については、保険適用の単焦点レンズであれば3割負担で片眼あたり約3〜5万円程度、多焦点レンズを選択する場合は追加で15〜40万円程度かかります。
白内障は進行性の病気ですが、手術によって視力を回復させることができます。「見えづらい」「まぶしい」などの症状を感じたら、早めに眼科を受診し、適切な治療を受けることをお勧めします。
視力の回復は生活の質の向上につながります。旭川市内の充実した医療環境を活かして、ご自身に最適な白内障治療を選択してください。
詳細な情報や最新の手術方法については、十川眼科にお問い合わせいただくことをお勧めします。

著者情報
医療法人社団光健会 十川健司
日本眼科学会専門医・網膜硝子体学会所属
医学博士・眼科手術学会所属
視覚障害書用補装具適合判定医
ボトックス施注資格認定医