白内障になりやすい人の特徴6選|高齢者だけじゃない意外なリスク要因とは

「まだ若いから大丈夫」は危険信号?白内障の意外な真実
白内障は加齢だけが原因ではなく、糖尿病やステロイド薬の使用、さらには日常的な紫外線曝露など、年齢に関係なく発症リスクを高める要因が存在します。
この記事では、白内障になりやすい人の特徴を6つの観点から詳しく解説します。
白内障とは何か|水晶体の濁りがもたらす視界の変化
白内障は、目の中にある「水晶体」が白く濁る病気です。
水晶体はカメラのレンズに相当する組織で、外から入ってくる光を屈折させて網膜に像を結ぶ役割を担っています。本来は透明な水晶体ですが、さまざまな原因でタンパク質が変性すると、白く濁ってしまうのです。
水晶体が濁ると光がうまく通過できず、視界がかすんだり、まぶしさを感じたりします。「最近、車のヘッドライトがやけにまぶしい」「白い壁が黄色っぽく見える」といった症状があれば、白内障の可能性があります。
白内障になりやすい人の特徴1:加齢による白内障
年齢を重ねるにつれて、水晶体を構成するタンパク質が徐々に変性し、透明性を失っていきます。これは誰にでも起こる自然な老化現象であり、完全に防ぐことはできません。早い方では40代後半から症状が現れ始め、60代では70〜80%、70代では80〜90%の方が何らかの水晶体の濁りを抱えています。
加齢性白内障の主な原因は「酸化ストレス」と「紫外線」です。長年にわたって蓄積された紫外線ダメージや、体内で発生する活性酸素が水晶体のタンパク質を傷つけ、濁りを引き起こします。屋外での活動時間が長い方や、紫外線対策を怠ってきた方は、より早期に症状が現れる傾向があります。
白内障になりやすい人の特徴2:糖尿病患者
糖尿病に罹患すると、健常者に比べて約5倍も白内障になりやすくなります。特に60歳以下では影響が顕著で、女性は男性よりもリスクが高いことが分かっています。また、抗糖尿病薬の内服を始めてから5年以上経過すると、非内服者に比べて約3倍白内障の発症率が上昇するとも言われてます。
高血糖状態が続くと、水晶体内に糖が蓄積し、タンパク質の変性を促進します。さらに、血糖コントロールが不良な場合、白内障の進行が急激に早まることがあります。数ヶ月で視力が著しく低下するケースも珍しくありません。
白内障になりやすい人の特徴3:ステロイド薬の長期使用者
ステロイド薬には内服薬、吸入薬、塗り薬、目薬などがありますが、白内障の原因になりやすいのは全身疾患の治療に使用される内服薬と、喘息などで使用する吸入薬です。ステロイド性白内障の特徴は、発症すると進行が極めて早いこと。数ヶ月から1年程度で手術が必要になるほど視力が低下することも珍しくありません。
水晶体の後嚢部(眼の奥に近い部分)中央に皿状の濁りができるのが典型的なパターンで、眼科医は濁りの形状を見ただけでステロイドが原因であることが分かります。
白内障になりやすい人の特徴4:アトピー性皮膚炎の患者
アトピー性皮膚炎の方も白内障になりやすい傾向があります。
アトピー性白内障の主な原因は、痒みによって目を掻いたり叩いたりした際の物理的刺激だと考えられています。また、免疫の異常による働きや、アトピー治療で使用されるステロイド薬の影響も関係している可能性があります。
若い方でも発症率が高く、20代〜30代でアトピー性白内障を発症するケースも少なくありません。目の周りの皮膚は非常に薄く、繰り返される刺激が水晶体にまで影響を及ぼすのです。
白内障になりやすい人の特徴5:外傷経験者
目に強い衝撃を受けた経験がある方は注意が必要です。
外傷性白内障は、野球やテニスのボールが目にぶつかったり、目を貫通して水晶体に異物が刺さったりした場合に発症します。事故直後ではなく、数年後に白内障が現れることもあるため、過去に目を怪我した経験がある方は、定期的な眼科検診を受けることをお勧めします。
白内障になりやすい人の特徴6:その他のリスク要因
上記以外にも、白内障のリスクを高める要因があります。
紫外線は白内障の大きな原因の一つです。紫外線の強い熱帯や亜熱帯地域の在住者、屋外労働者、屋外スポーツなどで戸外活動時間が長い人は、白内障になる危険性が高くなります。UVカット機能付きのサングラスや眼鏡、帽子を併用して、目を紫外線から守りましょう。
喫煙も白内障のリスク因子として知られています。タバコに含まれる有害物質が酸化ストレスを増大させ、水晶体の老化を早めます。禁煙は白内障予防だけでなく、全身の健康維持にも繋がります。
強度近視の方も白内障になりやすい傾向があります。眼軸長が長い強度近視の目は、構造的に水晶体への負担が大きく、白内障が早期に発症する可能性があります。
白内障の症状セルフチェック|見逃してはいけないサイン
・視力が下がった
・車のヘッドライトや太陽をまぶしく感じる
・物がかすんで見える
・白い壁が黄色く見える
・眼鏡(老眼鏡)が合わなくなった
・物が二重に見える
・視界に霧がかかっているように感じる
これらの症状のうち、1つでも当てはまれば白内障の可能性があります。複数該当する場合は、白内障がかなり進行している可能性が高いでしょう。
白内障予防のためにできること|今日から始める目の健康習慣
紫外線対策
UVカット機能付きのサングラスや眼鏡、帽子や日傘を使用して、目を紫外線から守りましょう。眼鏡はツルの部分の幅が1cm以上あるものが、側方から入る紫外線を効果的にカットします。
バランスの良い食事
抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンE、ルテインなどを含む食品を積極的に摂取しましょう。緑黄色野菜や果物、ナッツ類などがお勧めです。
禁煙
白内障予防だけでなく、全身の健康維持にも繋がります。喫煙は白内障の大きなリスク因子ですので、できるだけ早く禁煙することをお勧めします。
生活習慣病の管理
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は白内障のリスクを高めます。適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠を心がけ、生活習慣病を予防しましょう。
定期的な眼科検診
白内障の早期発見が可能になります。特に、糖尿病やステロイド薬を長期間使用している方、アトピー性皮膚炎の方、過去に目を怪我した経験がある方は、定期的な検診が必須です。
よくある質問|白内障に関する5つの疑問
Q1. 白内障は若い人でもなりますか?
はい、若い方でも白内障になる可能性があります。糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド薬の使用、目の外傷などが原因で、20代〜30代で発症するケースもあります。「若いから大丈夫」と油断せず、視界に違和感を覚えたら眼科を受診してください。
Q2. 白内障の手術は痛いですか?
白内障手術は局所麻酔で行うため、手術中の痛みはほとんどありません。点眼麻酔や注射麻酔を使用し、患者様が痛みを感じないよう配慮しています。手術時間も10〜20分程度と短く、日帰り手術が可能です。
Q3. 白内障は再発しますか?
白内障手術で濁った水晶体を取り除いた後、再び白内障になることはありません。ただし、手術後に「後発白内障」という合併症が起こることがあります。これは水晶体を包んでいた袋(嚢)が濁る現象で、レーザー治療で簡単に治療できます。
Q4. 白内障の手術を受けるタイミングはいつが良いですか?
日常生活に支障が出始めたら手術を検討するタイミングです。「車の運転が怖い」「本が読みにくい」「仕事に支障が出る」など、生活の質が低下していると感じたら、眼科医に相談してください。あまりに進行してから手術を受けると、合併症のリスクが高まることもあります。
Q5. 白内障の手術費用はどのくらいですか?
保険適用の単焦点眼内レンズを使用した場合、3割負担で片目約5万円程度です。多焦点眼内レンズを選択する場合は、選定療養や自費診療となり、費用が高くなります。詳しくは眼科で相談してください。高額療養費制度も利用できます。
まとめ|白内障は早期発見・早期治療が鍵
白内障は放置すると徐々に進行し、日常生活に大きな支障をきたします。しかし、適切なタイミングで手術を受ければ、視力は大幅に改善し、生活の質を取り戻すことができます。「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、視界に違和感を覚えたら早めに眼科を受診しましょう。
当院では、豊富な手術経験と最新の医療機器を用いて、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。白内障に関する不安や疑問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
白内障に関するご相談や検診をご希望の方は、十川眼科にお気軽にご連絡ください。


