白内障の日帰り手術〜安心の流れと準備ポイント
白内障の日帰り手術とは〜メリットと安全性
白内障は加齢とともに水晶体が濁り、視界がぼやけたり、かすんだりする疾患です。現在では手術が唯一の根本的治療法となっています。
日帰り白内障手術は、入院せずにその日のうちに帰宅できる手術方法です。手術時間は片眼あたり約10〜15分程度と短く、局所麻酔で行うため体への負担が少ないのが特徴です。
近年の医療技術の進歩により、日帰り手術の安全性は飛躍的に向上しました。当院でも最新の手術設備を導入し、2019年の開院以来、毎年1,000件以上の手術実績を重ねています。
白内障の日帰り手術のメリットは、入院の必要がなく日常生活への復帰が早いこと、そして両眼の手術を短期間で受けられることです。特に高齢の方にとって、入院による環境変化のストレスがないことも大きな利点といえるでしょう。
「手術は怖い」と感じる方も多いですが、白内障手術は眼科手術の中でも最も一般的で安全性の高い手術です。当院では手術前にリラックスできる空間を用意し、患者さんの不安を和らげる工夫をしています。

白内障手術前の流れ〜検査から手術日決定まで
白内障手術を受けるまでには、いくつかのステップがあります。まずは診察で白内障の状態を確認し、手術の必要性を判断します。
手術が必要と判断されたら、まず手術日を決定します。当院では火・水・木曜日を手術日としており、患者さんのご都合に合わせて日程を調整しています。両眼の手術が必要な場合は、1週間程度の間隔を空けて行うことが一般的です。
手術日が決まったら、術前検査を行います。この検査は手術の2〜3週間前に実施します。
術前検査では、眼内レンズの度数を決めるための光眼軸検査や角膜形状解析、眼圧測定、眼底検査などを行います。これらの検査結果をもとに、患者さんに最適な眼内レンズを選定します。
検査当日は瞳孔を広げる点眼薬を使用するため、検査後4〜5時間程度は見えにくくなります。自動車の運転は控え、できれば付き添いの方と来院されることをお勧めします。
術前検査の際には、手術後の見え方についても詳しく説明します。単焦点レンズを選択する場合は遠方か近方のどちらかに焦点を合わせるか、多焦点レンズを選択する場合はどのタイプが適しているかなど、患者さんのライフスタイルに合わせて相談しながら決めていきます。
当院では手術前に合同説明会も実施しています。手術の流れや注意点について詳しく説明し、疑問や不安を解消していただけるよう努めています。ご家族の方も一緒に参加いただけますので、ぜひご活用ください。
白内障手術当日の流れ〜安心の手術体験
手術当日は、予定時間の約2時間前にご来院いただきます。当日はお化粧を控え、できるだけ楽な服装でお越しください。
来院されたら、まず受付を済ませ、手術前の最終確認を行います。その後、抗生剤の点滴を行い、手術の準備を進めていきます。
点滴が終わったら、手術室に入るまでしばらく待合室でお待ちいただきます。この間、リラックスして過ごしていただけるよう、当院では快適な空間づくりを心がけています。
手術室に入ると、手術台に横になっていただき、まず目の周りを消毒します。その後、点眼麻酔を行い、手術を開始します。
白内障手術は主に以下の流れで進みます。
- 角膜に2〜3mmの小さな切開を作ります
- 超音波で水晶体を砕いて吸引します(超音波乳化吸引法)
- 眼内レンズを挿入します
- 抗生剤を注入して手術を終了します
手術中は目を動かさないようにすることが大切ですが、緊張されるのは自然なことです。当院では患者さんの不安を和らげるため、手術中も声かけを行い、リラックスしていただけるよう配慮しています。
手術時間は片眼あたり約10〜15分程度です。あっという間に終わると感じる方が多いですよ。
手術後は回復室で短時間休憩していただき、医師による診察を受けてから帰宅となります。帰宅後の注意点についても詳しく説明しますので、ご安心ください。
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白内障手術後の過ごし方〜回復期の注意点
手術当日は、できるだけ自宅で安静に過ごしてください。激しい運動や重い物の持ち上げは避け、目をこすったり強く押さえたりしないよう注意しましょう。
手術直後は眼帯を装着していますが、これは翌日の診察まで外さないでください。食事は通常通り摂っていただいて構いませんが、アルコール類は抗生剤の内服中(約4日間)は控えていただくことをお勧めします。
手術翌日は必ず診察にお越しください。診察では眼帯を外し、手術の経過を確認します。問題がなければ、その日から点眼薬の使用を開始します。
手術後の回復期間中は、以下の点に注意して生活してください。
- 洗顔は手術翌日から可能ですが、目の周りは優しく拭くだけにしてください
- 洗髪・入浴は手術から1週間後から可能です(首から下のシャワーと仰向けの洗髪は手術翌日から可能)
- 眼帯は手術から1週間着用してください
- 埃の多い場所での活動は避けてください
- 簡単な家事は問題ありませんが、激しい運動は控えてください
手術後は点眼薬を規則正しく使用することが大切です。抗生剤や炎症を抑える薬を医師の指示通りに使用してください。
視力の回復には個人差があり、安定するまでに1〜2か月かかることもあります。焦らず、ゆっくりと回復を待ちましょう。
眼鏡が必要な場合は、視力が安定してから(約2か月後)作成することをお勧めします。それまでは以前の眼鏡を使用するか、必要に応じて仮の眼鏡を処方します。
白内障手術で使用する眼内レンズの種類と選び方
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。眼内レンズには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
眼内レンズは大きく分けて「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」があります。
単焦点眼内レンズは健康保険が適用され、遠くか近くのどちらか一点にピントを合わせることができます。多くの患者さんは遠方用に設定し、近くを見るときは老眼鏡を使用します。
多焦点眼内レンズは遠くと近くの両方にピントを合わせることができ、眼鏡に頼らない生活を目指す方に適しています。ただし保険適用外(選定療養)となるため、追加費用が必要です。
当院では、患者さんのライフスタイルや希望に合わせて最適な眼内レンズを提案しています。例えば、読書や手芸が趣味の方は近方重視、ドライブや旅行が好きな方は遠方重視など、日常生活での使い方に合わせて選択します。
さらに、乱視がある方には乱視矯正機能付きの眼内レンズも用意しています。当院では乱視の強い患者さんには積極的に乱視矯正レンズを使用し、手術後の見え方の質を高める工夫をしています。
どんなレンズが自分に合っているのか迷われる方も多いですが、ご心配はいりません。術前検査の際に詳しく説明し、一人ひとりに最適なレンズを一緒に選んでいきます。
白内障手術の最新技術〜より精密な手術のために
白内障手術の技術は日々進化しています。当院では最新の手術設備を導入し、より安全で精密な手術を提供できるよう努めています。
従来の白内障手術では、手術前の検査データをもとに眼内レンズの度数を決定していました。しかし、一部の患者さんでは予想通りの視力が得られないケースもありました。
そこで近年導入されているのが、手術中にも眼の状態を測定し、最適なレンズ度数を決定するシステムです。これにより、手術後の視力向上がより期待できるようになりました。
また、白内障手術と同時に乱視を矯正する技術も進化しています。乱視の強さや方向を正確に測定し、それに合わせた眼内レンズを使用することで、手術後の見え方がより鮮明になります。
当院では、これらの最新技術を積極的に取り入れ、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供しています。2019年の開院以来、多くの手術実績を重ね、難症例の白内障にも対応できる技術を磨いてきました。
白内障手術は、単に見えるようにするだけでなく、「どう見えるようにするか」が重要です。当院では患者さんの生活スタイルや希望に合わせた「見え方のデザイン」を大切にしています。
白内障手術Q&A〜よくある疑問と不安
白内障手術を検討される方からは、様々な質問や不安の声をいただきます。ここでは、よくある質問にお答えします。
Q. 「手術は痛いですか?」
点眼麻酔を使用するため、ほとんど痛みを感じません。まれに圧迫感や不快感を感じる方もいますが、短時間で終わりますのでご安心ください。
Q. 「手術中、じっとしていられるか心配です」
多くの患者さんが同じ心配をされますが、手術台は体を固定できるよう設計されており、頭や目を動かさないよう補助します。また、手術中は医師が声をかけながら進めますので、リラックスして手術を受けていただけます。
Q. 「両眼の手術はどのくらいの間隔を空けるべきですか?」
一般的には1週間程度の間隔を空けることが多いです。最初の手術の経過を確認してから次の手術を行うためです。ただし、患者さんの状態や希望に応じて調整します。
Q. 「手術後、すぐに見えるようになりますか?」
多くの方は手術翌日から視力の改善を実感されますが、最終的な視力が安定するまでには1〜2か月かかることもあります。また、選択した眼内レンズのタイプによって見え方が異なります。
Q. 「手術後の通院はどのくらい必要ですか?」
一般的には、手術翌日、1週間後、1か月後、そして3か月後に診察を行います。その後は状態に応じて通院間隔を調整します。
Q. 「日常生活に戻れるのはいつからですか?」
軽い家事や読書などは手術翌日から可能です。ただし、激しい運動や重い物の持ち上げは約1か月間控えていただくことをお勧めします。
白内障手術を受けるタイミング〜早めの相談が大切
白内障は進行性の疾患であり、放置すると徐々に視力が低下していきます。では、いつ手術を受けるべきなのでしょうか。
基本的には、日常生活に支障が出始めたときが手術を検討するタイミングです。例えば、「新聞や本の文字が見づらい」「夜間の運転で対向車のライトがまぶしく感じる」「趣味の活動がしづらくなった」などの症状があれば、一度相談されることをお勧めします。
特に運転免許の更新時に視力検査で引っかかる方も多く、そのタイミングで受診される方も少なくありません。
白内障は進行すると手術の難易度が上がることがあります。硬くなった白内障は超音波での破砕が難しくなり、手術時間が長くなったり、合併症のリスクが高まったりする可能性があります。
また、白内障が非常に進行すると、網膜などの眼底の状態を確認しづらくなり、他の眼疾患の発見が遅れることもあります。
当院では、患者さんの生活スタイルや希望を尊重しながら、最適な手術のタイミングをアドバイスしています。気になる症状があれば、早めにご相談ください。
白内障の進行度や他の眼疾患の有無を確認し、一人ひとりに合った治療計画を立てることが大切です。
まとめ〜安心して白内障手術を受けるために
白内障の日帰り手術は、現在では非常に一般的で安全性の高い手術となっています。最新の医療技術の進歩により、短時間で負担の少ない手術が可能になりました。
手術の流れとしては、まず診察で白内障の状態を確認し、手術の必要性を判断します。手術が必要と判断されたら、手術日を決定し、術前検査を行います。検査結果をもとに最適な眼内レンズを選定し、手術に臨みます。
手術当日は約10〜15分の短時間で手術が終わり、その日のうちに帰宅できます。手術後は医師の指示に従って点眼薬を使用し、一定期間は激しい運動や洗髪・入浴などを控えることが大切です。
眼内レンズには単焦点と多焦点があり、患者さんのライフスタイルや希望に合わせて選択します。当院では最新の技術を導入し、より精密な手術を提供できるよう努めています。
白内障手術は「見える喜び」を取り戻すための大切な一歩です。不安や疑問があれば、いつでもご相談ください。当院では患者さん一人ひとりに寄り添い、安心して手術を受けていただけるよう、丁寧な説明と質の高い医療を提供しています。
視界がクリアになることで、日常生活の質が大きく向上します。白内障でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。経験豊富な医師と最新の設備で、皆様の「見える喜び」をサポートいたします。
詳しい情報や診療時間については、十川眼科のウェブサイトをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。
